もはや絶滅危惧種!? いま新車で手に入る国産ステーションワゴン5選

人を乗せるならミニバン、アクティブに使うならSUVと、だんだん需要が減っているステーションワゴン。生産されている車種もだいぶ少なくなりましたが、残っている車種は意外にも好調なセールスを記録していたりします。そこで、今回は現在新車で購入できる数少ない国産ワゴンを紹介します。

人気ジャンルから一転して次々と絶版になったステーションワゴン

 日本におけるステーションワゴン(以下、ワゴン)の歴史は古く、1960年代には1車種でセダンとワゴン、バンなどをラインナップするのが普通でした。しかし、それほどワゴンの人気は高くなく、セダンが主流となっていました。

 それは、ワゴンが商用車のバンをイメージさせ、仕事のクルマの印象が強かったからといいます。

 そんな状況を一変させたのが、1989年発売のスバル「レガシィ ツーリングワゴン」です。レガシィはバンをラインナップせずに、動力性能や運動性能も高く、ワゴンのイメージを変えました。

 それ以降ワゴンの人気が高まり、各メーカーもワゴンのラインアップを拡大します。

 しかし、1990年代後半には、より多くの人を乗せられるミニバンがブームになり、2000年代に入ってからはアクティブなイメージの強いSUVが支持されるようになりました。

 いまではワゴン人気はめっきり下火になり、たくさんあった車種も次々と絶版になってしまい、日産や三菱はワゴンの生産から撤退してしまったほどです。

 そんな状況のワゴンですが、2019年11月現在も国産ワゴンはまだまだあります。そこで、いま新車で購入できる国産ワゴンを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「カローラツーリング」

スポーティに生まれ変わった「カローラツーリング」
スポーティに生まれ変わった「カローラツーリング」

 2019年9月17日にセダンのトヨタ「カローラ」とワゴンの「カローラツーリング」がフルモデルチェンジして登場しました。カローラシリーズとしては7年ぶりの刷新で、通算で12代目となります。

 カローラツーリングは全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mmと、シリーズ初の3ナンバーサイズになりましたが、車体外装部品を国内専用とすることで、グローバルモデルと比べると全長は-155mm、全幅は-45mm小型化されています。

 パワートレインは2018年に発売された5ドアハッチバックの「カローラスポーツ」と同じ、116馬力を発揮する1.2リッターターボエンジンと、1.8リッターの自然吸気、1.8リッターエンジン+モーターのハイブリッドの3種類から選べます。

 なお、1.2リッターターボエンジン車は6速MT専用となっており、ATは設定されていません。

 サスペンションはフロントがマクファーソンストラットでリアがダブルウイッシュボーンと、4輪独立懸架にグレードアップされたことで、走りの質を向上させています。

 なお、従来型の「カローラフィールダー」もグレードを限定して併売されています。

●ホンダ「ジェイド」

走りの質が高く評価されている「ジェイド」
走りの質が高く評価されている「ジェイド」

 ホンダのラインナップには2台のワゴンがありますが、2015年に登場した「シャトル」と「ジェイド」です。なかでもジェイドは、もともと3列シートの6人乗りのみの設定で「ストリーム」の後継車という位置づけのヒンジドアのミニバンでした。

 しかし、ヒンジドアを採用するミニバンの需要が縮小していたこともあり、販売は低迷。2018年に2列シートの5人乗り仕様を投入し、ワゴンのイメージを強めて新たな需要を喚起することになりました。

 また、パワーユニットもデビュー当初はハイブリッド(1.5リッターエンジン+モーター)だけでしたが、途中から1.5リッターのターボエンジンを追加し、スポーティさを強調しています。

 さらに、ジェイドの魅力は、低い全高と優れた足回りがもたらす走りの性能です。

 サスペンションはFF車では少数派の4輪独立懸架で、リアにダブルウイッシュボーンを採用しており、重心の低いボディは山道などで威力を発揮します。

 また、使い勝手という点では1540mm(RSグレード)という全高は、ほとんどの立体駐車場(機械式)に駐車が可能で、現行モデルの3列シート車ではジェイドのみとなっています。

●マツダ「マツダ6 ワゴン」

美しいデザインのワゴンとして定評がある「マツダ6 ワゴン」
美しいデザインのワゴンとして定評がある「マツダ6 ワゴン」

 現在、マツダはフラッグシップの「マツダ6」にのみワゴンをラインナップしています。

 マツダ6は2019年7月まで「アテンザ」の名で販売されていたミドルクラスのクルマで、ご先祖にあたる「カペラ」の時代から伝統的にワゴンが用意されていました。

 ミドルクラスといってもかなりの大柄で全長は4800mmを超え、全幅も1840mmと堂々たるサイズです。面白いのがセダンよりホイールベースも全長も短いことで、その結果ワゴンはセダンより若干軽快感のある運転感覚を実現。

 また、外観のデザインは流麗で美しいと高い評価を得ており、塗装についても「匠塗 TAKUMINURI」と呼ばれるマツダ独自の塗装技術により、デザインを質感高く際立たせています。

 市場規模の小さくなったワゴンでは珍しく、エンジンのバリエーションが豊富なのも特徴です。2リッター自然吸気と2.5リッター自然吸気および2.5リッターターボのガソリンエンジンに、2.2リッターのクリーンディーゼルを加えた全4種から選べます。また、ディーゼルに限ってですが、6速MTも用意されています。

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