苦渋の決断… 新型「フィット」発売延期に高コスト部品採用とホンダが慎重にならざる得ない理由
東京モーターショー2019で、ホンダ新型「フィット」が世界初公開されました。当初の予定では2019年10月に発売予定だった新型フィットですが、2020年2月発売に延期されています。いったい何があったのでしょうか。
不具合発生で新型フィットが発売延期
2001年に初代モデルが登場して以来、日本を代表するコンパクトカーとしてライバルを圧倒してきたホンダ「フィット」。
東京モーターショー2019で公開された4代目新型フィットは、「心地よい視界」「座り心地」「乗り心地」「使い心地」という「日常生活に寄り添う4つの心地よさ」を追求したとホンダは説明しています。
また、ホンダのプレスカンファレンスで本田技研工業の八郷隆弘社長は、新型フィットが顧客のもとに届くのは「2020年2月」と説明しました。
新型フィットは、当初は2019年10月に発売される予定でした。なぜ発売が2020年2月に延期されたのでしょうか。
新型フィットの発売が延期されたのは、電動パーキングブレーキの不具合という予想外の問題があったためです。
電動パーキングブレーキの不具合は、2019年8月に発売された新型「N-WGN」ですでに発生しており、発売開始から2か月足らずで生産停止になっています。
新型N-WGNは、軽自動車でありながら高級車にも採用されている電動パーキングブレーキを搭載したことで話題となりましたが、結果的にそれが生産停止の要因となってしまいました。
なお、新型N-WGNにおいてはパーツ供給が安定したため、2019年12月から生産を開始する予定としています。
しかし、さらに問題だったのは、同じ電動パーキングブレーキを新型フィットにも採用する予定だったことでした。
N-WGNでの不具合が完全には解消していない状況で新型フィットを発売することはできず、ホンダ広報部は「販売会社には当初は10月発売と伝えていた」とのことですが、前述の八郷社長のコメントのように、2020年2月の納車を目指すスケジュールとなりました。
新型N-WGNと新型フィットの不具合の原因となった電動パーキングブレーキも、不具合さえ起こらなければ非常に便利なものです。
結果として不具合が生じてしまっていますが、新型フィットは多くの顧客を見込むホンダの最重要車種です。
新型フィットの生産を円滑に進めるため、新型N-WGNで不具合が生じているドラムブレーキの採用を見送り、もともと4WDモデルに搭載していたディスクブレーキをすべてのタイプに搭載することになりました。
消費者にとっては良い装備が全タイプに採用されるので朗報ですが、ホンダにとっては高コストになるので、苦渋の選択だったでしょう。このクラスでは車両価格を高くはできないからです。
なお、新型フィットの生産は2020年1月を予定しているとのことで、ホンダ広報部は「現在は生産体制を見直して、歩留まりの改善をしている」と説明します。
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