真夏の渋滞でエアコンが効かない? 「炎天下+渋滞」で暑い車内を冷ます方法とは
走行中でもエアコンが冷えない場合はガス抜け、故障の可能性あり
渋滞などで、ノロノロ運転時のみならず走行中にも効かないとなると話は違ってきます。カーライフ総合情報サイトを運営するカーライフプロデューサーのテル氏は次のように話します。
「エアコンは、あくまでも吸気温度と気化熱との関係性に依存しますので、真夏の渋滞時のような圧倒的に吸気温度が高まる環境下では、正常なエアコンであっても心地よい冷風が出ない場合もあります。
これは車種ごとに設定されているエバポレータ(熱交換器)の容量などに依存しますが、この状態の『エアコンが効かない』ならばエンジン回転数を少し上げるテクニックが有効になるかもしれません。(ただし内気循環のみ)
注意しなければいけないのは、ガス抜けや機械的な故障などシステム的な問題が生じているときです。システムとして、エバポレータを氷状態にできなくなっている以上、何をしても冷風は出ません。
車内にいるとあっという間に熱中症になりますので、まずは窓を全開にし、乗り続けるという選択肢ではなく渋滞が解消されるまで路肩に止めて、車外に出てガードレール外で待機もしくはロードサービスで引き上げてもらう必要があります」

では、少しでも車内の冷暖房の効率を上げるには、どうしたら良いのでしょうか。
効果的なのは、遮熱効果のあるウィンドウフィルムを貼ることですが、後部のモニタ―カメラなどがないクルマなどでは、視界の確保に注意が必要です。
最近では、透明または光線透過率の高い断熱フィルムも出てきており、なかにはフロントガラスや運転席助手席の窓に貼れるフィルムもあり、フィルムを貼った状態の窓が光線透過率70パーセント以上を確保していれば薄い色がついたものでも問題ありません。
筆者(加藤久美子)が応急的にやっているのは、100円ショップのアルミシートをリアウィンドウに貼ることです。これは、保安基準上でも問題ない範囲での対策です。
筆者のクルマは布製の黒い幌を装着しています。後部窓はアクリル、フロントガラスはかなり寝た角度でフロントシートとの距離も近く、エアコンが効かない悪条件だらけです。
渋滞でエアコンが効かなくなると車内の温度はあっという間に40度近くにまでなり暑くてたまりません。
リアウィンドウにアルミシートを貼るだけで後部窓付近の温度は10度以上下げることができています。コツは窓全体よりも大きめサイズにカットして少しのすき間もないように貼ることです。窓とシートの間のすき間を作らないよう、密着させると遮熱効果があがります。
また暑い車内では、水分補給も重要です。渋滞が予想される場合はペットボトルの水を十分に用意しておきましょう。
冷却シートなどは、首の後ろや肩甲骨の間に貼ると効果大です。濡れタオルを首に巻くのも体温を下げる効果があります。
安価で意外に効果があるのはミント水です。「ミントオイル+純水」をスプレーボトルに詰めておき、肌に直接または濡れタオルに吹きかけて濡らし、そこにエアコンのファンが当たるようにすると、爽やかな香りと気化熱と共に体感温度も下がります。
夏場の渋滞は、普段よりも暑さのストレスが加わり、イライラしやすくなりますが、さまざまな対策をすることで、快適なドライブ環境を作ることが重要かもしれません。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。








