打倒ベンツ!? FF化したBMW新型「1シリーズ」にBMWらしさはあるか?

搭載されるエンジンはガソリン・ディーゼルどちらもパワフル

 今回の最大の特徴であるFFレイアウトの採用によって、はたして新型1シリーズの走りはどうなったのでしょうか。

フルモデルチェンジされたBMW新型1シリーズ
フルモデルチェンジされたBMW新型1シリーズ

 新型1シリーズのサスペンションは、フロントがマクファーソンストラットでリアがマルチリンクという組み合わせです。これは同じグループの「ミニ クロスオーバー」などと同じ形式となっています。

 新型1シリーズも属する欧州のCセグメント市場のクルマでは、さまざまなリアサスペンションが用いられています。

 例えば、「マツダ3」はリアサスペンションにトーションビームをあえて使っているほか、メルセデス・ベンツも、モデルによってトーションビームとマルチリンクを使い分けている状況です。

 ここにはコストの兼ね合いもあるわけですが、そんななかで新型1シリーズはコストがかかるであろうマルチリンクを用いています。そしてエンジンルーム内に補強バーを入れ、モデルによってはさらにボディの下面でも補強をおこなうなどしています。

 エンジンはさまざまなものがラインナップされますが、今回試乗したのはトップモデルである「M135i xDrive」と、「118d」の2種類です。

 M135i xDriveは2リッターの直列4気筒ターボで、最高出力306ps、最大トルク450Nmを発生する、4気筒でもっともパワフルなユニットを積みます。

 燃費は複合モードで14km/Lから14.7km/L、0−100km/h加速タイムは4.8秒(Mパフォーマンスパッケージは4.7秒)、最高速度は250km/h(リミッター作動)です。そして8速ATとxDriveと呼ばれるFFベースの4輪駆動システムを介して走行します。

 118dは2リッターの4気筒ターボディーゼルで、ディーゼルパティキュレートフィルターとNOx吸着触媒コンバーター、尿素SCRシステムを備えるものです。排ガス基準はユーロ6dのTEMPをクリアしています。

 最高出力は150psで最大トルクは350Nm、燃費は複合モードで22km/Lから24km/L、0−100km/h加速タイムは8.4秒、最高速度は216km/hとなります。こちらは8速ATを介して、前輪を駆動するFFレイアウトです。

 実際に走らせると、M135i xDriveはスポーツモデルならではの痛快な感覚が備わっています。450Nmの最大トルクは、1525kgと決して軽くはないボディをグイグイと加速させるだけの力を感じさせるものです。

 エンジンの回転も最近の直噴ターボとしてはだいぶ高回転域まで回る方で、サウンドも気持ちよく響き渡り、6000回転を超える高回転域も味わえるものとなっています。もちろん、もっとも力が出ているのはそれ以前の常用域である1700回転から4500回転までですが。

 118dも、このクラスながら2リッターエンジンなので余裕を感じる走りです。ライバル車であるメルセデス・ベンツ「Aクラス」の「200d」が、同じ2リッターながら最高出力150ps、最大トルク320Nmなので、118dはそれよりさらに30Nmも太いトルクとなっています。

 A200dも相当に余裕を感じる走りを見せますが、118dはさらにその先をいくゆとりを見せてくれるのです。日常使用では、ほぼ2000回転までですべてが事足りてしまうほど。速度域が高いところでも、エンジン回転数は1500回転を下回るため、じつに静かで燃費にも貢献します。

 典型的なフラットトルクのディーゼルエンジンで、最大トルクは1500回転から2500回転の間で発生しますが、それでもアクセルを踏めばBMWのディーゼルらしく、気持ちよく高回転域まで回るのが印象的です。

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1件のコメント

  1. 横から見たパッケージングが、すっかりエンジン横置きのFFになってしまったのが残念。

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