これが新型NISMO!? 何が変わった? 日産「GT-R NISMO」2020年モデル最速試乗!
日産「GT-R(R35型)」は、2007年にデビューしました。それから12年経ったいまでもGT-Rの進化は留まることを知りません。今回の2020年モデルではどこが進化したのでしょうか。
日産「GT-R」の2020年モデルは何が変わった?
2007年の日産「GT-R(R35型)」の衝撃的な登場から12年が経過しました。これまで「最新のGT-Rは最良のGT-R」と手を止めることなく進化/熟成をおこなわれてきました。
常に進化するGT-Rは、2020年モデルになったことでどこが変わったのでしょうか。
最新スペックは2020年モデルとなり、今回は2019年7月に受注が開始され同年10月に発売予定の「GT-R NISMO」に、ドイツ・ベルリン近郊の一般道や速度無制限のアウトバーン、そしてサーキット(DTMも開催されるユーロスピードウェイ)で試乗をしてきました。
2013年よりGT-Rの開発責任者を務める田村宏志氏は「私が担当して以降は主に『GTゾーン』である基準車を強化していきましたが、2020年モデルは『Rゾーン』のNISMOにフォーカスしました。600馬力を一つのに区切りとしてほかのバランスを上げていくことを目標にしました」と語っています。
いきなり結論になりますが、2020年モデルは従来のGT-R NISMOのRゾーンをより懐が深く研ぎ澄ますと同時に、その対極のGTゾーンも引き上げた走りに仕上がっています。
筆者(山本シンヤ)は、ある意味GT-Rの掲げたいつでも・どこでも・誰でも高い性能を味わうことができる「マルチパフォーマンススーパーカー」の“集大成”だと感じました。実際にどのようなアップデートが施されたのでしょうか。
パワートレインは、3.8リッターV6ツインターボ(VR38DETT型)で、600ps/652Nmのスペックに変更はありませんが、レスポンスを上げるためにタービンの羽の枚数変更(11枚→10枚)と形状を最適化させた新型ターボを搭載。もちろん、それに伴いエンジンとのマッチングも再チューニングされています。
6速デュアルクラッチ式のトランスミッションはハードの変更はありませんが、エンジンの変更に合わせて制御を変更。とくに、Rモードのシフトスケジュールはサーキット走行をDレンジでおこなっても、ドライバーの意志に見合ったものを採用。
シャシ側も多岐にわたるアップデートがおこなわれています。田村氏は「クルマはトータルバランスが重要なので、当然だと思っています」とサラッと語っていますが、その規模はフルモデルチェンジに匹敵するレベルといっていいと思います。
ブレーキは従来モデルも十分な性能を持っていましたが、「サーキットや超高速で効かなくなってくる」という声から、新たにカーボンセラミックブレーキを採用。GT-R史上最大の大径ディスク(フロント直径410mm、リア直径390mm)に専用の高剛性キャリパーの組み合わせにより、世界レベルの効きと普段の走行でも優れたコントロール性、そしてバネ下重量の大幅低減を実現。
さらなるコーナリング性能アップのためにサスペンションのセットアップを変更に加えて、グリップ力と接地面積を向上させたタイヤと従来品よりも軽量かつ高剛性を実現させたアルミホイール(9本スポーク)を新開発。その結果、速さの指標となるコーナリングフォース(CP)は5%向上しています。
また、GT-Rのボディはデビュー当初から強靭な事で有名ですが、今回シャシ性能を引き上げたことでより強固にする必要があり、新たにルーフ/エンジンフード/フロントフェンダーをカーボン製に変更。結果として10.5kgの軽量化も実現。
インテリアは、新設計されたレカロ製のバケットシートが特徴です。これはシャシの性能向上に剛性が足りなくなり、形状はもちろん骨格まで新設計されました。シートバック全体のねじれ剛性を20%アップしながら、約2.8kg/台の軽量化を実現しています。
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