自動車大国日本 お膝元の国内市場で新車台数が減少している理由とは
海外で元気な国産自動車メーカー
トヨタやホンダ以外の国産自動車メーカーでも、ほとんどが海外で販売台数を伸ばしています。
日産は、日本でも登録車において、「ノート」が2018年度で1位になるなど売れています。しかし、それ以上に中国市場が好調なのです。日本では影の薄い「シルフィ」は、2018年1月から12月において48万1216台(118.6%)という台数を販売しています。
また、三菱の2018年販売台数は、「デリカD:5」が1万7075台(128.4%)、「エクリプスクロス」は9115台(182.4%)と他社に比べて低いですが、アセアン地域においては日本未導入の「エクスパンダー」が約31万8000台と好調です。
日本では軽自動車メーカーという印象があるスズキも、インドにおいて大きな人気を得ています。とくに、日本未導入のモデルを多く展開しているのが特徴です。
スズキは、日本市場でも2018年度の軽自動車販売台数において「スペーシア」が15万8397台(139.3%)、登録車「ソリオ」の4万4884台(90.2%)と、軽自動車市場が伸びている影響をうまく捉えています。
しかし、国内で売れている「ノート」を販売するディーラーのスタッフは一概に喜べないというのが実情のようです。日産の販売ディーラーのスタッフは次のように話します。
「最近の日産車は、モデルチェンジをなかなかしません。海外ではその国に合わせた新型モデルを続々と投入していますが、ここ数年の日本では、『e-POWER』頼みなのが現状です。今のところ、ノートやセレナの販売が好調ですが、販売の現場としてはほかのラインナップでも押して行きたいのが正直なところです。
今後、各種モデルのモデルチェンジをおこなうといわれてはいますが、年内の大きな動きは聞いていません。そのため、しばらくは現状のモデルで頑張るしかありません」
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日本の自動車メーカーは、国内の地場産業や雇用を支えつつ、グローバル展開によって大きく成長してきました。今後は、電動化や自動運転分野など、グローバルでの競争が激化していきます。
それでも、日本市場では「誰もが買えるクルマ」を投入し続けてほしいものです。
【了】
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