ホンダ「次は失敗できない」 今年投入の新型「フィット」でハイブリッドの方向性示す!

新型フィットがノートe-POWERに勝負を挑む

 現行フィットは、トランスミッションに7速DCTを採用しています。この7速DCTは複数回にわたる改良が加えられたにもかかわらず、例えば時速40キロから60キロで走行しているときなどに変速がギクシャクすることがあり、いまひとつ滑らかさに欠けます。

ホンダ現行「フィット」

 現行フィットは発売直後に7速DCTをめぐるリコールが相次ぎ、出鼻をくじかれました。

 リコールを責めることは、リコール隠しを誘発するので控えるべきですが、現行フィットの時は補修部品の配達が遅れたりして販売店にはフィットを売りにくい雰囲気が漂いました。

 現行フィットでの失敗を教訓にし、新型フィットに最新のスポーツハイブリッドi-MMDを搭載することで、機能と販売の両方でライバルのノートe-POWERに真っ向勝負を挑むのです。

 スポーツハイブリッドi-MMDは、モーター駆動が中心となるので走りが滑らかです。モーターはエンジンに比べてアクセル操作に対する反応が早いため、運転しやすく、動力性能も力強く感じます。

 新型フィットが優れた商品として発売されると、日産の動きも注目されます。ノートをさらに商品力の高いクルマにフルモデルチェンジするのか、それとも負けたままで放置するのか。日産の国内市場に向けた姿勢も明らかになります。

 問題は新型フィットの価格でしょう。スポーツハイブリッドi-MMDを搭載する際のコストアップは避けられず、「ステップワゴン」や「オデッセイ」は、ノーマルエンジン車に比べて、価格が47万円から58万円高くなっています。

 ホンダの開発者は、「i-MMD搭載車が増えたこともあり、今では量産効果によるコスト低減も進みました。今後はコンパクトな車種にも搭載可能です」とコメントしており、スポーツハイブリッドi-DCDを搭載しているフィット、フリード、ヴェゼルといったモデルも、順次i-MMDに変更されると考えて良いでしょう。

 新型フィットのi-MMD搭載車とノーマルエンジン車との価格差も、現行モデルと同様に40万円程度に抑えられるものと思われます。

「次は失敗できない」とホンダも気合が入っています。ハイブリッドに限らずメーカー同士が技術力で勝負すると、クルマが目覚ましく進歩して、ユーザーが得るメリットも大きいといえるでしょう。

【了】

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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2件のコメント

  1. モーターのみの駆動供給にすることによって、なめらかな加速とコストダウンまで実現出来て画期的なことだと思うが?
    ホンダの技術者が本当にこんなことも理解できないとは思えないのだが?

  2. 見た目のデザインとカラーリングでFit4はだめでした。
    運転視界も評判ほどではなくがっかりしました。
    ファミリーカーとはいえ燃費だけ良ければという時代は過ぎました。まあクロスターがギリギリ及第点。このシートだけは良いと思いました。

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