なぜ? 2代目「ジムニー」新車でまだ販売!? 海外専用ボディの日本車5選
日本で売っているモデルでも海外に進出すれば、その土地に合った変更が行われるのが普通です。コストを考えると必要最小限の変更にとどめたいところですが、大規模な変更が行われるケースもあります。そこで、海外専用ボディの日本車を5車種ピックアップして紹介します。
日本車なのに日本にはないボディのクルマ5選
かつては日本でのみ販売するクルマが多数ありましたが、いまでは軽自動車以外は世界中で販売する必要があります。国内だけの販売台数よりも利益が上がるので、当然の流れでしょう。
日本で販売しているモデルを世界各国で販売するには仕向地の法律や使われ方、道路環境に応じて必要最小限の変更を行なっています。
一方で、海外専用に大規模な変更や、日本では売っていないタイプを新設するケースもあります。そこで、海外専用ボディの日本車を5車種ピックアップして紹介します。
なお、海外専用車種ではなく、日本でも売っている(売っていた)車種で統一しています。
●日産「240SX」
日本で1988年に発売された5代目「S13型 シルビア」は、好景気の後押しもあってヒット作になりました。
翌年の1989年にはハッチバック版の「180SX」を市場に投入して、日産の若者向けスポーティカー2枚看板のポジションを確立します。
そして北米でもこの2台に2.4リッターエンジンを搭載した「240SX」が販売されましたが、クーペボディのデザインが日本とは異なっていました。
ボディは日本の「シルビア」と同じですが、フロントフェイスはリトラクタブルヘッドライトの「180SX」のものを移植。
さしずめ「180SX」のノッチバック版といったイメージです。
「240SX」をモチーフにして、日本でも「シルビア」のフロントフェイスを「180SX」顔にするショップもあり、「ワンビア」と呼ばれていました。
ちなみに「180SX」を「シルビア」顔にした「シルエイティ」も有名なカスタマイズです。
●マルチスズキ「ジプシー」
2018年に20年ぶりのフルモデルチェンジを行なって、大いに話題となったスズキ「ジムニー」ですが、1998年まで販売していた2代目「ジムニー」が、いまだに海外で販売されています。
それが、インドのマルチスズキ製「ジプシー」です。
普通車版の「ジムニー」(1000やシエラ)をベースとしていて、1.3リッターエンジンを搭載しトランスミッションは5MTのみ。
シャシはロングホイールベース化され、ボディもロングかつハイルーフに。また、オープンボディのスタンダードモデル「ジプシー ソフトトップ」もラインナップしています。
装備は2代目「ジムニー」とほとんど変わらない非常にシンプルなもので、インドでは日本円で約100万円にて販売されています。
●日産「NV200コンパクトカーゴ」
日産のビジネスバンといえば「NV350キャラバン」と「NV200バネット」がありますが、「NV200バネット」は世界戦略車として世界各国で販売されているモデルです。
なかでも北米で販売している「NV200コンパクトカーゴ」は日本とは違うボディで販売されています。
まず、フロントグリルやバンパーのデザインが変更され、ホイールベースが200mm、全長が約330mm延長されていて、見た目にも明らかに長いです。
さらにリアゲートは「NV200バネット」が上に開くタイプですが、「NV200コンパクトカーゴ」では左右に開く「観音開き」となっています。
なお「NV200」は2011年にニューヨーク市タクシー、いわゆる「イエローキャブ」に選定されました。