3列目ない2列シートミニバンなぜ増加? トヨタやホンダも次々導入する理由とは
2列シートの5人乗りがこれからの主流?
実際にホンダ「ジェイド」では、2列シート仕様の後席に厚みのあるシートを採用し、大型アームレストや反転テーブルなど、ゆったりとくつろげる空間を実現しています。
車両の軽量化にもつながるため、「走行性能がアップする・燃費がよくなる」といったメリットもあります。
一方、デメリットとして考えられることとして、ユーザー側からはとくにありませんが、メーカー側から見ればグレードのバリエーションを多く持つということは、それだけコストがかかり、販売店の対応も煩雑化してしまうことなどが、やや懸念されるところです。
今後の動向としては、ミニバンの3列シート離れは始まったはかりではなく、むしろ完成形に近いのではないかと考えられます。
2018年12月の自販連が発表した『普通&小型車の販売台数』を見ると、11月時点までトヨタのノア三兄弟(ノア/ヴォクシー/エスクァイア)が合計台数では首位に経っていました。
しかし、12月ではダイハツ「トール」を始めとする四兄弟(トール/ルーミー/タンク/ジャスティ)が首位を奪還します。
トール四兄弟は、両側スライドドアを持つ、2列5人乗りのワゴン車。軽自動車で爆発的に売れているホンダ「N-BOX」をはじめ、スーパーハイトワゴンと呼ばれるクルマたちを見ても、すでに「両側スライドドア/2列シート/広い荷室」という3つの要素を満たすクルマは市場で引っ張りだこなのです。
今回、ミニバンの2列シート仕様が相次いで登場したのは、その市場に新たな活路を求めたからだといえるでしょう。
スライドドアを持たないホンダ「ジェイド」にしても、市場がかなり縮小してしまった天井が低いタイプのミニバンでいるよりも、トヨタ「カローラ フィールダー」やホンダ「シャトル」のように、ステーションワゴンのスタイルを取った方が魅力アップするのは明らかなのです。
こうして見てくると、結論としてはミニバンの3列シート離れではなく、ファミリー層のミニバン離れの方が顕著であるといえそうです。
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