「そういえばあったね!」 昭和では当たり前だったクルマあるある5選
昭和では当たり前だったクルマに関する「懐かしくなるもの」。当時を振り返るものを5選で紹介します。
昭和のクルマには普通にあった、懐かしのあれこれ
2019年になり、平成も終わりを迎えようとしています。その昔、昭和のクルマにおいては一般的だった装備や日常的に行われていることがたくさんありました。
時代や社会の変化とともになくなってしまった、または、なくなりつつある懐かしのあれこれ5選をご紹介します。
●5ボタンが並ぶアナログ選局ラジオ
1980年ごろから日本車のオーディオも欧州と同様に、「DINサイズ」と呼ばれた180mm×50mmサイズの規格に沿ったものが増えてきました。
それ以前は150mm×50mmのユニットサイズやとくに規格統一されていないものもあり、よく見かけたのはダッシュボードに左右に丸いダイヤルと間にプッシュ式5ボタンのカーラジオが埋め込まれていたクルマです。
多くのカーラジオは、右側の丸いダイヤルが電源とボリューム兼用で、一度押すと電源ON、もう一回押すと電源OFF、右に回せば音量が大きくなり、周囲にあるリングが音質の調整になっていました。
1970年頃からは、高級車や上位グレードの車両ではプッシュ式5ボタンラジオでもFM放送が受信可能なものも登場。当時は、首都圏のFM放送局といえば「FM東京」と「NHK-FM」しかなかった時代のため、FMは2つで十分だったと思われます。
選局方法などは、AMのみの5ボタンラジオと同じでしたが、左側の丸いチューニングダイヤルの周囲にあるリングが左右の音量バランスになっているものが多く存在していました。
●時速105kmを超えると鳴る速度超過警告音
日本で生産されて国内で使用するクルマには、1974年(昭和49年)から速度超過警告ブザーが装着されていました。普通乗用車では車速が約105km/h、軽自動車では約85km/hを超えた際にドライバーに警告するためのものです。
初期の頃は、メーター裏に装着された小型の鉄琴を鳴らす仕組みになっていて『キンコン』と軽やかな音を発するものがほとんどでした。
また、1980年(昭和50年代後半)頃からは電子音のブザーが鳴る車種も増えましたが、アナログ式のスピードメーター装着車は、ブザーに接続されているケーブルを簡単に外せる車種が多く存在。
メーター周りを分解できる人なら簡単に警告音ブザーを解除することも可能でしたが、1986年(昭和61年)に装備の義務付けが廃止されて終焉を迎えました。
●エンジンの一発吹かし止め
昭和の頃は、エンジンを止める前にアクセルを踏んでエンジン回転数を上げる「ブリッピング(空吹かし)」をするドライバーが多くいました。
その理由のひとつとして、1960年代半ば(昭和40年代)頃まではキャブレターと呼ばれる機械式の燃料供給装置が主だったことです。
ブリッピングする理由は、次回のエンジンスタートの際に燃焼室にガソリン成分が残っていて始動しやすいようにするためという人もいます。
実際、高出力エンジン搭載車の場合には、大口径のキャブレターを装着されていた車種が多く、クルマを止める直前に低回転で走行していると供給される燃料に対する燃焼のバランスが崩れ『プラグがカブる(燃料やスラッジによってスパークプラグの着火が悪くなる)』ことを嫌っていたことがその始まりです。