日産「シルビア」開発は白紙のまま… 一度はゼロだったトヨタはなぜ86やスープラを復活できたのか

2019年1月14日から開幕する北米国際自動車ショー(デトロイトショー)で、5代目となる新型「スープラ」が世界初公開されます。2007年に「MR-S」が生産終了後、スポーツカーがゼロとなったトヨタですが、2012年に「86」が登場以降、スポーツ系モデルのラインナップに熱心です。そんなトヨタに対して日産はどうでしょうか?

トヨタはスープラも復活、日産はGT-RもZもデビューから10年

 2019年1月14日から開幕する北米国際自動車ショー(デトロイトショー)で、5代目となる新型「スープラ」が世界初公開されます。日本でも昨年末にプロトタイプ試乗会が開催され、様々な自動車メディアで記事が公開されました。

 2007年に「MR-S」が生産終了後、スポーツカーがゼロとなったトヨタですが、2012年に「86」が登場以降、スポーツ系モデルのラインナップに熱心です。2017年には「GR」ブランドを立ち上げ、様々なモデルにスポーツコンバージョンモデルを設定していますが、スープラはそのフラッグシップとなります。

トヨタは86の復活からスポーツモデルに力を入れ始め、日産のシルビアは噂になるものの、現在の開発は白紙と言われている

 そんなトヨタに対して日産はどうでしょうか? 2013年からNISMOロードカーの展開をスタート、短期間でラインアップを拡大するとともに、グローバル展開も実施しており販売も好調と聞いています。

 また世界に誇るパフォーマンスを添える「GT-R」や長い歴史を持つ「フェアレディZ」がラインアップされていますが、どちらもデビューからすでに10年以上が経過しています。しかしフルモデルチェンジのウワサは、まったく聞こえてきません。ちなみにGT-Rのデビューは2007年なので、日産の乗用車ラインアップの中で最古参モデルとなってしまいました。

 GT-Rは毎年のように進化・熟成が行なわれ、デビュー当初のモデルに対して大きくレベルアップしていますが、フェアレディZは何度かアップデートは行なわれていますが、ユーザー目線で見ると「放置されているのでは?」と勘繰ってしまうほど。2019年は初代の登場から50周年となる記念の年にも関わらず、何とも寂しい状況となっています。

 なぜ、フルモデルチェンジしないのでしょうか? 技術的にはまったく問題はないと思いますが、むしろビジネスとして成立するか? と言った問題のほうが大きいかもしれません。フェアレディZが使用している車台、FMプラットフォームは2001年にV35スカイラインから採用されている物で改良を重ねているとはいえ老朽化は否めません。

 ただ、プラットフォームを一から開発するには3ケタ~4ケタ億と言う莫大な予算が掛かります。それをペイするだけの販売台数が見込めるなら問題ないでしょう。FFミドルクラス用のCMF-C/DやFFコンパクトクラス用のVプラットフォームは、日産以外にもアライアンスパートナーであるルノーにも水平展開することでコストを抑えています。

 しかし、FRでスポーツカーにも使えるプラットフォームはアライアンス内で共用することが難しく日産/インフィニティ単独で使うとなると、経営サイドはそう簡単にGOは出せないのも事実です。さらにGT-Rが採用するPMプラットフォームは企画時には汎用性を持たせた設計になっていましたが、事実上GT-R専用設計なのでもっと難しいです。

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