購入時より高値となるクルマが存在? 背景には国産スポーツカーの海外流出も
多くの場合、中古車の買取価格はおよそ7年から8年で大きく落ち込みます。一方で、一部のクルマは購入時よりも高い金額で売れるとの話も。実際に売却を経験したユーザーの声を聞きました。
国産スポーツカーの海外流出を背景に買い取り価格が高騰
日本の中古車買取価格は、一部の人気車種を除いておおよそ7年から8年で限りなく0円に近くなってしまいます。これは昭和の時代から続いた「車は消耗品」との感覚から生じているとも言えるのですが、実はここ数年で「購入時よりも高く売れるクルマ」がどんどん増えています。
特に80年から90年代スポーツカーの残存台数が激減していることから、国内でも高値で購入する人が多く、販売価格がどんどん高騰してきています。
価格が上がる理由はさまざまですが、そのひとつに国外への流出があります。アメリカでの日本車人気は根強いものがあり、実用的なセダン系乗用車とSUVだけでなく輸入されていなかった80年代の日本製スポーツカーも大変な人気となっています。
アメリカでは、中古車を輸入する際に「25年ルール」と呼ばれる「クラシックカー登録制度」があり、生産から25年以上経過している車については排ガス検査なしで輸入できるという制度があります。
ストリートレースをテーマとしたカーアクション映画やゲームソフトの影響もあり、一時期は国内でも底値まで落ちていた日産「スカイラインGT-R(R32型)」やトヨタ「スープラ(MA70型)」、最終型は輸出されていなかったマツダ「RX-7(FD3S型)」などのスポーツカーたちが高値で取引されているのです。
アメリカの州によって法律に差があるようですが、右ハンドルのクルマでも登録できます。ただし、年間の走行距離などに制限もあるようです。
アメリカのオークションだと、「スカイラインGT-R(R32型)」の取引価格は日本円で500万円は当たり前、状態の良いクルマだと1000万円を超えた例もあります。
その影響もあり、ここ数年で国内の中古車市場でも80年代の日本製スポーツカーの販売価格が高騰してきています。今回は実際に、購入時よりも車を高く売れたユーザーに話を聞くことができました。