“300馬力”の1.8リッター「ターボ」搭載! 格安の「“5ドア”スポーツカー」どんなクルマ? 「シビック タイプR」より安い“最速級FFスポーツ”ルノー「メガーヌRS」中古モデルとは
ホンダ「シビック タイプR」をはじめ、国産スポーツカーの新車価格が上昇するなか、目を欧州車の中古市場に向けると、格安で狙える高性能モデルがあります。その一台が、“ニュル最速”の系譜を受け継ぐルノー「メガーヌR.S.」の最終世代です。どのようなクルマなのでしょうか。
“ニュル最速”のDNAを受け継ぐ最後のFFスポーツ
2022年9月に発売されたホンダ「シビック タイプR」の現行モデル(FL5型)は、通常仕様の「TYPE R」が499万7300円(消費税込、以下同)です。現在は受注が一時停止されています。
特別なインテリアを備える「レーシングブラックパッケージ(RACING BLACK Package)」は、2025年9月の価格改定によって617万9800円となり、こちらは販売されています。
いっぽう、輸入車の中古車に目を向けると、ルノー「メガーヌR.S.(ルノー・スポール)」の最終世代が、諸費用を除く車両本体価格150万円台から狙えます。
2026年9月上旬時点で、複数の大手中古車情報サイトには約80台が流通。年式は2018年式から2025年式、走行距離は1万km以下から8万km台までと、幅広い条件の個体がそろっています。
車両本体価格は150万円台から500万円台です。下限なら現行シビック タイプRの新車価格より300万円以上安く、2018年に登場した際の新車価格440万円と比べても、およそ3分の1の水準です。
メガーヌR.S.は、ルノーのモータースポーツ部門である「ルノー・スポール」が、同社の主力モデル「メガーヌ」をベースに仕立てた高性能FFスポーツモデルです。
初代は2003年にデビュー。日本では、2004年1月から2011年1月まで展開された2代目メガーヌの世代を皮切りに、3世代にわたってR.S.が設定されました。
なかでも2008年に登場した「R26.R」は、ドイツのニュルブルクリンク北コースにおいて、当時の量産FF車最速となる8分16秒9を記録。“ニュル最速”をめぐるFFスポーツカーの競争に、その名を刻みました。
今回取り上げるのは、4代目メガーヌをベースとしたR.S.としては3世代目にあたる最終世代です。
先代のメガーヌR.S.が3ドアハッチバックだったのに対し、最終世代は実用性に優れた5ドアハッチバックへと変更され、日本では2018年8月に発売されました。
エクステリアは、大きく張り出した専用フェンダーと、F1マシンをイメージしたエアインテークブレードを組み込むフロントバンパーが特徴です。
インテリアには赤いステッチやR.S.ロゴ入りシートなどを採用し、通常のメガーヌとは異なるスポーティな空間に仕立てられています。
同じ最終世代でも、前期型と後期型ではエンジン性能が異なります。2018年8月に発売された前期型は、最高出力279馬力・最大トルク390Nmを発生する1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していました。
2021年3月の改良では、標準仕様のエンジンを上級モデル「トロフィー」と共通化。最高出力は300馬力となり、最大トルクは6速EDC車が420Nm、6速MT車が400Nmまで高められています。
トランスミッションは、標準仕様のメガーヌR.S.が6速EDC、トロフィーは6速MTまたは6速EDCを設定しました。このときの価格は、標準仕様が464万円、トロフィーは6速MT車が494万円、6速EDC車が504万円でした。
さらに2022年7月の仕様変更では、価格が標準仕様で519万円、トロフィーの6速MT車が549万円、6速EDC車が559万円となりました。
装備面では10インチデジタルインストゥルメントパネルや、9.3インチマルチメディアシステム「EASY LINK」、BOSEサウンドシステムなどが採用されています。
ボディサイズは全長4410mm×全幅1875mm×全高1465mm、ホイールベースは2670mmです。
車両重量は標準仕様とトロフィーの6速EDC車が1480kg、トロフィーの6速MT車が1460kg。WLTCモード燃費は、標準仕様が11.3km/L、トロフィーの6速MT車が11.4km/L、6速EDC車が11.6km/Lです。
メガーヌR.S.の走りを特徴づける装備が、後輪も操舵する「4コントロール」です。リアタイヤの最大切れ角は2.7度で、低速域では前輪と逆方向、高速域では同じ方向に切れるよう制御されます。
低速コーナーでは回頭性を高め、高速走行時には優れた安定性を発揮することで、日常での扱いやすさとスポーツ走行時の俊敏さを両立しました。
ターボチャージャーには、F1由来のセラミックボールベアリングを採用。摩擦を従来のスチール製ボールベアリングシステムと比べて3分の1に低減し、鋭いレスポンスを実現しています。
さらに、エンジン回転数や走行モードに応じて排気音を変化させる、アクティブバルブ付きスポーツエキゾーストも備えます。
上級モデルのトロフィーには、よりサーキット走行を意識した「シャシーカップ」を採用しました。
標準仕様に対してスプリングレートをフロントで23%、リアで35%、ダンパーレートを25%高めているほか、トルセンLSDやレカロ製フロントバケットシートも装備しています。
2021年の改良では、アダプティブクルーズコントロールや歩行者検知機能付き衝突被害軽減ブレーキなども追加されました。
また、トロフィーの6速MT車には、停止状態から力強い加速を引き出すローンチコントロールも搭載されています。

さらに、メガーヌR.S.の高性能を象徴するモデルが「トロフィーR」です。
2019年4月にはニュルブルクリンク北コースで、当時の量産FF車最速となる7分40秒100を記録。日本では2020年1月に購入申し込みの受け付けが始まり、通常仕様は47台限定、価格689万円で設定されました。
そして2023年4月には、世界限定1976台となる「ウルティム」が登場。日本での価格は659万円で、ルノー・スポールの名を冠する最後のモデルとなりました。
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ルノー・スポールが担ってきた高性能車開発の役割は、現在では「アルピーヌ」へと引き継がれています。
すでにメガーヌR.S.を新車で手に入れることはできませんが、中古市場では279馬力の前期型から300馬力へと高性能化された後期型まで、さまざまな仕様を選べます。
“ニュル最速”の系譜に連なる走行性能を持ちながら、5ドアの実用性も備えたメガーヌR.S.。現行シビック タイプRより手頃な中古FFスポーツとして、注目したい一台です。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

















































