NEXCOブチギレ「警察に告発しました!」 超・悪質「重量35トンオーバー車」を“完全追放” 規格外の「ルール破り」した“大迷惑運転手”には「高額な罰金」も!? 埼玉
NEXCO東日本 関東支社と高速道路機構は、東北道の重量制限を大幅に超えた車両を走らせたとして、運転者を警察に告発したと発表しました。
途方もない「35トンオーバー車」を告発
NEXCO東日本 関東支社と日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)は2026年8月8日、道路の重量制限を大幅に超えた車両を走らせたとして、運転者を埼玉県警に告発したと発表しました。
一体何があったのでしょうか。
道路は、道路法第47条に基づいた政令「車両制限令(車限令)」で、通行可能なクルマの重さやサイズの上限が定められています。
具体的には長さ12m、幅2.5m、高さ3.8m(高さ指定道路では4.1m)が上限となっているほか、総重量については高速自動車国道または指定道路で25t、軸重は10tまでと定められています。
さらに、最小回転半径や輪荷重、隣接車軸の軸重合計重量も上限が決められています。
道路は一定の建設基準が設けられ、あらゆる道路がこの基準をもとにしています。そこで、この道路の基準に基づき、通行車両の最大サイズ・重量を定めたのが「車限令」というわけです。

車限令の上限値を超えるようなサイズオーバーだと、物理的に通れず、なんとか通れたとしても周囲の車両や道路設備への接触事故、料金所ゲートや頭上の標識・信号機の破損を引き起こすおそれがあります。
そして重量超過の場合は特に深刻です。ブレーキ性能の低下やスリップ・横転リスクの増大といった、クルマを操作するうえでの危険が生じ、重大事故に発展し、長時間の通行止めを伴い、道路ネットワークを寸断することもあります。
さらに、道路の設計重量を超えて通行することで、路面や構造物を徐々に損傷させ、結果として急速な劣化を招き、大規模な補修工事が必要になります。
そのダメージの具体例を示すと、軸重20t(基準の2倍)の重さで走行した場合に道路の床版に与えるダメージは、軸重10t(基準の上限)で走行したトラック4000台分に相当。たった10tオーバーするだけで、道路をかなり傷めつけることになります。
多くの道路が建設から長い年月が経過し、そもそもの劣化が顕著になるなか、重量オーバーのクルマはそれを一段と加速させているのが実情です。
ただし、鉄道車両や変圧器、橋桁など大型資材の輸送や、そもそもクルマ自体が車両制限令を超すような巨大なオールテレーンクレーンの回送など、どうしても制限を超える場合もあります。
その場合は「特殊車両(特車)」という扱いになり、走行ごとに、運行経路や道路管理者の許可、車両の詳細を記した説明書などの書類を集めて「特殊車両通行許可(特車通行許可)」を受け、OKサインが出れば特例で通行することができます。
車両の重さや通行経路によっては、グリーンの誘導灯を装着した誘導車を配置したり、橋などでは一時的に通行車両を規制し、必要以上に重くならないようにする措置が必要になります。
手続きはオンラインでも対応可能ですが、それでも無許可・無認可走行が後を絶たないのが現状です。
今回、NEXCO東日本 関東支社と高速道路機構が埼玉県警に告発した事案は、2024年12月の東北道で発生しました。
違反者は12月10日の23時22分、東北道の下り線、浦和本線料金所を重量オーバーのセミトレーラーで通過しました。
重量を計測したところ、当該車両の制限25tに対し「60.10t」という、途方もない重量オーバーだったことが発覚。基準値の約2.4倍です。
当該車両は「32.95トン」までの特車通行許可を受けていたものの、それも超えていたようで、特車申請は意味をなさないものとなっています。
NEXCOと高速道路機構は、「本件違反については、(中略)極めて悪質な違反であると考えております」と怒りをあらわにしています。
なお告発を受けた場合、道路法第104条に基づき「100万円以下の罰金」が科される可能性があります。運転者に加え、法人であればそれを雇っている法人にも、この罰則を受ける両罰規定です。
NEXCOと高速道路機構は「今後とも関係機関と連携を図り、道路法違反車両に対して厳正に行政措置を行い、安全で円滑な交通の確保に努めてまいります」としています。
※ ※ ※
車限令違反者、とりわけ重量オーバーについては、NEXCO各社を始め、道路管理者は頭を悩ませています。
なぜならば、国の試算によると道路の劣化の9割は、全体のわずか0.3%にすぎない重量超過車両によって引き起こされているためです。
それを踏まえ、国土交通省は2014年、悪質な重量オーバー車を厳罰に処する「道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針」を策定しました。
制限の2倍以上の重量超過をした時点で「告発対象」としています。要するに「一発アウト」ということになりました。
いっぽうNEXCO東日本では、車限令違反を取り締まる専門部隊「車両制限令等違反車両取締隊(車限隊)」を配置してパトロールを行っています。
長年の経験で違反していると思わしき車両を見つけては停車させ、車両の状態を計測し、違反していないかを厳しくチェックするとともに、特車申請が必要な車両であれば、特車通行許可証もしくは回答書を確認。
もし違反を見つけたら、程度が軽微な場合は警告に留めますが、重大な場合は行政処分となる措置命令書を交付します。
措置命令では、ケースによっては「即時退出命令」、すなわち「次の出口で高速を降りろ」というものほか、車両を安全な場所に留め置き、車限令を満足するよう「この場で荷物を減らしなさい」という措置を命じる場合もあります。
Writer: くるまのニュース編集部
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