“EV失速”で「ハイブリッド車」再評価へ! なぜ世界の自動車メーカーが“方針転換”!? 「リッター36km」の超・低燃費モデルも登場 &「走りの楽しさ」両立で“現実的な最適解”に!
世界的な電動化の波が訪れるなか、一時はBEV(バッテリーEV:電気自動車)に主役の座を譲るかに見えたHEV(ハイブリッド車)が再び注目を集めています。なぜいまHEVが支持を集めているのでしょうか。
世界の自動車メーカーも方針転換
世界の自動車メーカーが、再びHEV(ハイブリッド車)の開発に力を入れています。
BEV(バッテリーEV:電気自動車)需要の伸び悩みやガソリン高騰などを受け、「現実的な最適解」として再評価されていることがありますが、理由はそれだけではないようです。
一時期は、BEVへの移行が大きな潮流として語られていた自動車業界ですが、近年その流れに変化が生じています。
かつて積極的なBEVシフトを打ち出していた欧州メーカー各社は、販売環境の変化を受けて相次いで方針を撤回。現在は再びガソリンエンジン車やHEV・PHEV(プラグインハイブリッド車)の製品開発を継続する「現実路線」へと方向修正をしています。
例えばメルセデス・ベンツは2024年、それまで表明していた「2030年までに全車をBEV化する」との方針を軌道修正し、HEV・PHEV向けエンジンの新開発などを図ると発表しました。
また「プジョー」や「フィアット」「ジープ」など欧米の複数ブランドを抱えるステランティスグループも、世界で強力なEV化を推し進めてきましたが、2026年5月に発表した2030年に向けた計画発表の中で、戦略の転換を表明。
各ブランドで共通プラットフォーム化を推し進めるにあたり、BEVのみならずハイブリッドや高効率な内燃機関などといった複数のパワートレインを開発するべく、4兆円にのぼる新たな費用の計上を明らかにしています。

国内メーカーでも、2040年までの「脱ガソリン」を宣言していたホンダが、2026年3月期決算で上場以来初となる4000億円を超える最終赤字を発表しました。
これに伴い、北米向けの次世代BEV「0シリーズ」の一部車種は開発中止となり、プラットフォームを共有する予定だったソニーとの共同開発BEV「アフィーラ」も発売中止(事業方針見直し)へと追い込まれています。
さらにホンダは、今後3年間で4.4兆円規模の巨額投資を再び内燃機関やHEV開発に分配し、収益力の再構築を図るとしています。
こうした動向の背景にあるのが、世界最大級の自動車市場である北米でのHEV需要の拡大です。
北米ではBEV購入時の税額控除の縮小や見直しが進み、高額なBEVの販売は伸び悩む傾向にあり、米国メーカーが開発したピックアップトラックのBEVも、補助金なしでは高すぎるとして在庫が溢れかえる状況です。
また、充電インフラの整備状況や充電設備の稼働率、長距離移動時の利便性といった課題が顕在化したことで、BEVに対する期待が以前ほど一様ではなくなったことも要因のひとつです。
その点、HEVは外部充電を必要とせず、高い燃費性能を日常的に享受できることができます。ガソリン車と同じ感覚で利用できる利便性を維持しながら燃料消費を大幅に抑えられることから、多くの市場で高い支持を集めているのです。
HEVの車両価格が現実的になってきたことも大きな理由です。
初期のHEVは、車両価格の差額を燃料代で回収するまでに長い期間を要しましたが、トヨタをはじめとする日本メーカーによる量産効果によって製造コストが低下。現在ではガソリン車との価格差が20万円から30万円程度に収まるモデルも増えているなど、ガソリン車との価格差が大きく縮まっています。
ガソリン価格の高止まりがつづく現在では、年間1万km程度の一般的な利用でも数年で差額を回収できるケースが多く、純ガソリン車に対するHEVの優位性は以前より高まっています。
さらに、この10年間でHEVの燃費性能は飛躍的に向上しました。
トヨタ「ヤリス」HEVモデルは、カタログ燃費36.0km/L、「ヤリスクロス」HEVモデルも30.8km/Lを達成しています(WLTCモード燃費)。
車重2トンを超えるアルファードでさえ、18.9km/Lという優れた燃費性能を実現しており、HEV技術の進歩を実感させます。
また、最新のHEVは単なる低燃費車ではありません。
ホンダ「プレリュード」に採用された「スポーツe:HEV」や、日産の新型エルグランドなどに搭載される「第3世代e-POWER」など、モーター駆動の特性を活かした滑らかな加速性能や高い静粛性を備えたモデルも続々と登場しています。
HEVのスタンダードを築いてきたトヨタでも、カローラシリーズやノア/ヴォクシーなど、純ガソリン仕様を廃止してHEVモデルへと一本化する動きが顕著になってきました。
日本メーカー各社が、それぞれの強みを活かした最新HEVを市場へ投入している現在、HEVは環境性能と使い勝手を両立するパワートレインとして、多くのユーザーにとってもっとも身近な電動車となりつつあります。

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コストパフォーマンスと走りの魅力を高度に両立し、財布にもドライバーにも優しい「主役」へと進化した、現代のHEV。
BEVかHEVかという単純な二項対立ではなく、ユーザーの利用環境や価値観に応じて最適な選択肢を選ぶ時代へ移りつつあるなか、HEVは、今後も電動化を支える重要な存在であり続けるでしょう。








































































