跳ね上げ式だけでないトランクの開き方 横開きに観音開き、「上にも横にも」は究極の形?
ついに登場! 「上にも横にも開く」タイプ
横の観音開きではなく、上下方向に開くリアハッチもあります。やはり「ランドクルーザー」の一部やホンダ「エレメント」といったSUVに採用されており、少ない面積で上部だけ開けることもでき、下側も開ければさらに開口幅もアップ。現行の日産「セレナ」などで、リアハッチのガラス部分のみを開けられるもの(ガラスハッチ)もありますが、使い方としては似ているかもしれません。
ここまで様々なリアハッチ、リアゲートの形式を紹介してきましたが、上にも横にも開くというのは、ひとつの究極の形かもしれません。それを世界で初めて「わくわくゲート」の名で採用したのが現行のホンダ「ステップワゴン」。リアハッチに横開きのドアを組み合わせたもので、全体を跳ね上げられるだけでなく、リアハッチの左側5分の3ほどが右に開きます。狭いところでの荷物の出し入れはもちろん、3列目シートへの乗り降りをスムーズにするために開発されました。
ただし、ドアを組み合わせているだけあって全体的に若干重くなることがデメリットかもしれません。また、「ステップワゴン」のなかでもベースグレードであるガソリンの「B Honda Sensing」には設定されておらず、ひとつ上のグレードとは、エアバックなどの違いもありますが、20万円の価格差があります。
ちなみに、形はセダンなのに「リアハッチ」を持つという車種も存在します。ダイハツがバブル期に発売した「アプローズ」は、トランクとキャビンが隔てられていながら、リアガラスの上まで一枚のハッチとして跳ね上がるというものでした。逆にシトロエン「XM」のように、リアガラスの上まで開くリアハッチがありながら、後部座席とトランクのあいだにもう1枚ガラスの仕切りが設けられており、リアハッチを開けてもキャビンの気密性が保たれるというものも。トランクのドアも、様々な進化を重ねてきたのです。
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