レクサス“新型”「カクカクSUV」公開! 400馬力超え&「V型10気筒」風サウンド響かせる「高性能4WD」モデル! 3列シート備わる「TZ」どんなモデルに?
トヨタは5月7日にレクサスのEV3列シートSUVとなる新型「TZ」を世界初公開しました。どんなクルマなのかをレポートし、また、トヨタの狙いは何かを考察します。
新しい基準を提示
トヨタから3列シートSUVのEVとなる新型モデルの「TZ」が、2026年5月7日に世界初公開されました。
日本には2026年冬に導入するそうです。また、スペックの記載を見ると、日本だけでなく、北米、欧州、中国でも発売されると予想できます。
今回、初披露された新型「TZ」をトヨタは「電動ラグジュアリーSUVの新しい基準」と説明しています。
全長5100mm×全幅1990mm×全高1705mmの巨躯とバッテリーEVならではの長いホイールベースを組み合わせることで、広々とした室内空間を生み出します。
また、EVですから当然のように静粛性は高く、それにレクサスらしい上質さがプラスされた室内は、まさに極上の寛ぎの空間となることでしょう。
フロントとリアの2つのモーターと95.82kWhもの大容量バッテリーを組み合わせたシステムの最高出力 は300kW(407.8馬力)。2630kgの巨体でありながら、0-100km/h加速5.4秒という俊足を見せてくれます。
駆動方式には四輪駆動システム「DIRECT4」を採用したほか「インタラクティブマニュアルドライブ」を採用し、パドル操作によって8速ATのような変速フィールを疑似体験できます。

また、レクサスのスーパースポーツ「LFA」をイメージしたV型10気筒エンジンサウンド風の演出機能も備わるといいます。
一充電あたりの航続距離は620kmほどになるとか。後輪操舵システムを採用したことで、運転の楽しさまでも味わえるとトヨタは説明します。
レクサスの中でTZは、どんなポジションになる?
では、そんな新型TZは、レクサスの中で、どのようなポジションになるのでしょうか。
サイズ感でいえば、ちょっと背が低いものの、ラダーフレームSUVの「LX」やミニバンの「LM」と、ほぼ同等です。
ただし、エンジン車とハイブリッドの「LX」、ハイブリッドのLMと異なり、TZはEVのみ。
つまり、TZが「電動ラグジュアリーSUVの新しい基準」になるという説明は、「LXがラグジュアリーSUVの基準だったように、TZが電動ラグジュアリーSUVの基準になる」と理解していいでしょう。
ちなみに、レクサスには、他にも「TX」という3列シートのSUVが北米専用モデルとして発売されていますが、ポジションニングとしては、EVのSUV「RX」より上で、LXよりも下というところ。EVのTZが北米に導入された場合、エンジン車/ハイブリッド車のTXよりも上になるのではないでしょうか。
3列シートのEVのライバルは意外に少ない
今回、トヨタがTZを導入した理由のひとつとして言えるのが、「EVには3列シート車が少ない」ということです。現在、発売されているEVの中で、3列シート車は少数派になります。
日本で言えば、最近発売されたばかりのテスラの「モデルYL」、ミニバンのフォクルクスワーゲン「ID. BAZZ」、メルセデス・ベンツの「EQB」くらいでしょう。ライバルの少ない狙い目のジャンルが、EVの3列シート車なのです。
EVに3列シート車が少ないのには理由があります。それは、本来的にEVは大型車は向いていないからです。EVの航続距離を伸ばそうとすると、どうしても大きく重い、そして高額なバッテリーをたくさん積むことになります。
クルマは重く大きくなるほど、効率が悪くなってしまいます。そのためEVは、小さなバッテリーで近距離を走るクルマに仕上げるほうが、安く高性能に作りやすいのです。たとえば日産の「サクラ」は、カタログでは20kWhのバッテリーで180kmを走れます。一方、TZは、95.82kWhで620km。
約4.8倍のバッテリーを積みながら、航続距離は約3.4倍にしかなりません。大きくなると効率が悪化するのです。
しかし、効率が少々悪くても、3列シートのEVに乗りたいというニーズは存在します。今は売れていませんが、今後はどうなるかはわかりません。
トヨタは、その新たなジャンルを開拓すべく、TZを投入したのでしょう。ちなみに、トヨタはTZだけでなく、北米向けSUV「ハイランダー」にもEV版を追加して、2026年後半から投入すると予告しています。
日本での3列シートSUVが人気になる可能性
今回、トヨタが日本にTZを導入するのは、EVの3列シートモデルが少ないというのが理由のはずです。ただ、面白いのは、トヨタはハイブリッドの3列シートSUVであるハイランダーを4月に東京エリアから発売しました。
全国展開は、この夏からだそうです。さらにテスラも、4月に3列シートSUVのモデルY Lを日本で発売しています。
奇しくも、今年になって相次いで、新しい3列シートSUVが発売されているのです。
もともと日本では、多人数乗車となればミニバンが主流となっていました。トヨタでは、コンパクトな「シエンタ」から、中型の「ノア/ヴォクシー」、大型の「アルファード/ヴェルファイア」、高級なレクサスLMまで、まさにフルラインナップを揃えます。その一方で、これまでの3列シートSUVは少数派という存在です。
ところが、TZを筆頭に、多くの新型3列シートSUVの導入で、従来の“少数派”と言うイメージが変わるかもしれません。
そうなれば、北米のように3列シートSUVの人気が高まる可能性も。今回のレクサス TZの登場は、シーンに変化を生み出す一石となるはずです。市場の反応に注目しましょう。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。
著書「自動車ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)




















































