“人に寄り添う”トヨタ自動車東日本の自律走行ロボット「cocomo」とは? クルマづくりの技術も応用! ウーブンシティで“独り立ち”に向けた開発進む

静岡県裾野市の「Toyota Woven City」に建設された「Inventor Garage」。その稼働に合わせたイベント「KAKEZAN 2026」にて、トヨタ自動車東日本が自律走行ロボット「cocomo(ココモ)」を出展しました。一体どのようなロボットなのでしょうか。

表情豊かでコンパクト 東北の技術が詰まった「cocomo」

 静岡県裾野市の実証都市「Toyota Woven City(トヨタ ウーブン シティ)」において、産業を超えた連携による価値の創出=「カケザン」を加速させる施設、「Woven City Inventor Garage(インベンターガレージ)」が稼働を開始。

 オープンに合わせて、4月20日から24日の5日間にわたり、完全招待制イベント「KAKEZAN 2026」が開催されました。

 トヨタのコンパクトカー開発・生産を担う完成車メーカーとしてクルマづくりを担うトヨタ自動車東日本は、自律走行ロボット「cocomo(ココモ)」を出展し、プロジェクトの概要やロボットの機能を紹介しました。

トヨタ自動車東日本の自律走行ロボット「cocomo(ココモ)」
トヨタ自動車東日本の自律走行ロボット「cocomo(ココモ)」

 cocomoの開発には、東北に根差した企業ならではの強い想いが込められています。原動力となったのは、東日本大震災後の経験です。

 同社の担当者はそのきっかけを下記のように語ります。

「東北地方では東日本大震災の津波で沿岸の街が流されてしまい、住居が高台へと移転しました。

 しかし、人が住む場所が高台になったことでスーパーなどでの買い物が困難になり、高齢者にとっては大変な状況が生じています。そこをなんとかロボットの技術で貢献することができないかと考え、開発をスタートさせました」

 また、スポーツ競技の支援も大きな契機となりました。東京2020オリンピック・パラリンピックの投てき競技において、炎天下で競技用の槍を運ぶスタッフの負担を軽減するため、自律走行ロボット「FSR」でサポートを行った経験があります。

 担当者は「アスリートファーストの視点でサポートさせていただいた経験から、人にやさしいロボットで社会を良くしていけるのではないかと考えたのです」と振り返り、これらの経験が開発の土台になったことを明かしました。

豊かな表情とウインカーも装備! 愛着の湧くデザイン

 こうして誕生したcocomoは、一般的な買い物カゴがちょうど1個入るサイズのコンパクトなロボットです。

 最高速度は法律に基づき時速6km以下に設定されており、東北産のバッテリーを搭載して約5時間から6時間、距離にして約30kmの走行が可能です。

 機体の前後にはカメラが搭載されているほか、自身の位置を把握するためのGPSや、周囲の状況を検知するLiDARセンサーなどを備え、安全な自律走行を実現。歩道の傾斜や段差を乗り越えるため、クルマづくりで培われたサスペンション技術も生かされています。

 部品製造における東北企業との連携も行っています。

 担当者は「軽量化のために宮城県の産業技術総合センターなどと連携して金属3Dプリンターを活用しています。ここで得られた成形や設計のノウハウを地元の企業研究会で共有することで、東北のモノづくりにも貢献していきたいと考えています」と、地域密着型の開発姿勢を強調します。

買い物かごがちょうど入る大きさ
サスペンションアーム

 cocomoの外観上の大きな特徴が、正面に搭載されたデジタル表示による豊かな「表情」です。状況に応じて目のような表示が変化し、ランダムで笑ったり、寝たふりをしたりと、多彩なパターンが用意されています。

 さらに、前輪で駆動しつつ、後輪にはキャスターを採用することで、まるで生き物のような愛らしい動きを実現しました。進行方向を周囲に知らせるウインカーもしっかりと装備されており、公道での安全な共存を目指した細やかな配慮がうかがえます。

 小型の自動走行ロボットは人々の生活圏で通行者と共に走行を行いますが、一般の人からは「どのように動くのかわからないので不安」「無機質な印象がある」といった意見も出ていたとのこと。

 担当者は「コンタクトが取れるような、本当に安心感を与えられるロボットにしたいということで、こうした機能を付けています」と説明しており、道行く人との距離感を縮める工夫が施されています。

様々な表情に変化!

イベント告知や店舗案内でも活躍! 公道実証も進む

 cocomoは単にモノを運ぶだけでなく、情報提供のハブとしての役割も期待されています。機体上部に搭載されたビジョンカメラで人の視線を検知し、それに合わせて上部に設置したプロジェクターから立体的なコンテンツを路面に投影する機能も実証されています。

 担当者は「商業施設などでは今空いている飲食店はこちらです、といった情報を提供し、人の役に立てないかという実証実験も行っています」と述べており、ウーブンシティ内でもイベント告知や行動支援といった幅広い活用が想定されています。

 また、cocomoは各地の公道でも実証実験を重ねています。2026年3月には裾野市の公道において、完全遠隔監視による自律走行の実証実験が行われるなど、着実にステップアップを図っています。

 無人で安全に公道を走行し続けるため必要なのが、「MRM(Minimum Risk Maneuver)」と呼ばれる機能の実装です。

 担当者は現在の取り組みについて下記のように話します。

「横断歩道を渡る際などには法規上、人の遠隔監視が必要ですが、万が一通信が途切れてしまった場合でも、安全に横断歩道から退出して停止する制御が不可欠です。

 実際の公道でこのテストを行うことは難しいため、ウーブンシティ内の横断歩道を活用して開発を進めています。警察にも意見をいただきながら、最終的には完全に一人で横断歩道を渡っていけるロボットにしようとしています」

※ ※ ※

 東北を元気にしたいという切実な願いと、人に寄り添う優しいテクノロジーの融合から生まれたcocomo。

 ウーブンシティにオープンしたInventor Garageを新たな製品・サービスの開発拠点として活用することで、その自律走行技術はさらに磨き上げられていきます。

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Writer: くるまのニュース編集部

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