時速17kmオーバーで「逮捕」!? 速度違反で“住所”と“氏名”隠した84歳男はなぜ「青切符」で済まなかったのか? 元警察官が解説
島根県安来市において、速度違反の取り締まりを受けた84歳の男が住所や氏名を言わないまま運転席に戻ろうとしたとして、道路交通法違反の疑いで逮捕されました。一体何が問題だったのでしょうか。
取り締まり時の対応次第で逮捕も…やってはいけない“NG行為”とは
島根県警は2026年4月14日、島根県安来市内において、最高速度が時速40kmに指定されている道路を時速57kmで走行したとして、鳥取県鳥取市に住む84歳の男を道路交通法違反(速度超過)の疑いで逮捕しました。
警察によると、4月14日の午前11時半頃、男は安来市伯太町にある制限速度が時速40kmの道路を17kmオーバーの時速57kmで走行し、警察の速度違反取り締まりを受けました。
なお現場では当時、速度計測装置を固定し、通行する車両にレーダーを照射して速度違反を検挙する定置式(レーダー式)の速度違反取り締まりがおこなわれていました。
そして警察官が男のクルマを停止させて速度違反について説明したところ、男は住所や氏名を言うことなく、そのまま運転席に戻ろうとしたため逮捕に至ったということです。
男は警察の調べに対し、「スピード違反で止められたが、違反はしていない」などと容疑を否認しています。
このニュースに関してインターネット上では「(時速)17kmオーバーでも検挙するのか。島根県は厳格だな」「普通(時速)40km道路を40kmでは走らないでしょ」など男を擁護する声が上がる一方で、「スピード違反取り締まりなんていうものは、皆がスピード出すようなところでやるのは当たり前」「警察に止められても仕方ない」といった意見もみられました。
クルマの速度に関しては車両の構造上、スピードメーターに表示される速度と実際に出る速度に時速10km前後の誤差が生じる可能性があります。
それを考慮して、警察では時速15km未満の速度超過をほとんど検挙していない状況にありますが、法令上は制限速度を時速1kmでも超過すれば交通違反に当たります。
また狭い生活道路や通学路などでは、基本的に歩行者の保護や事故防止を目的として最高速度が低く設定されているため、その点を理解し、安全な速度で運転すべきです。
さらにインターネット上では「名前と住所を言わないと免許証を持っているかもわからないし、クルマの中にあるなら取りに行くと言えば良いだけだと思う。無免許の可能性を疑われたのでは?」など、逮捕に至った理由について考察する意見も聞かれました。
今回の事案では運転手の男が住所や氏名を明かさずに運転席に戻ろうとしたと報じられていますが、交通違反を認めていないうえ、身分を明かさないことで「逃走や証拠隠滅のおそれがある」と判断され、逮捕に至ったものとみられます。

同様の事案は全国でたびたび発生しており、4月6日にも長野県松本市において、速度違反で取り締まりを受けた男が警察官から運転免許証の提示を求められ、それを拒否したとして道路交通法違反(速度超過)の疑いで逮捕されています。
実は道路交通法第95条第2項では運転免許証の提示義務について定められており、車両の運転者が無免許運転や飲酒運転をしているとき、交通事故や交通違反をしたときなどには警察官が運転免許証の提示を求めることが可能で、運転者はこれに応じる義務があります。
たとえ取り締まりに納得がいかない場合でも、運転免許証の提示には応じるべきでしょう。
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そのほか交通取り締まりを受けた際にやってはいけないこととして、「交通違反の切符を破る」という行為が挙げられます。
実際のところ4月7日には、島根県大田市において一時不停止の違反で取り締まりを受けた53歳の会社員の女が、警察官が交付した青切符を破いたとして、公務執行妨害の疑いで逮捕されています。
交通違反の取り締まりを受けた際には、落ち着いて冷静に対応することが大切です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。



















































