日産「次期スカイライン」はどうなる!? ハコスカ&R34のオマージュ満載? MT設定の可能性は “ハートビート”な新型セダンの姿を徹底予測
日産の象徴「スカイライン」の開発中止報道から数年。経営再建の渦中にありながら、ついに次期型の存在が公式に明かされました。公開されたティザー画像と最新の経営計画から読み解ける“次期型の真実”とは。歴代モデルへのオマージュが込められたデザインや、V6ツインターボ×MT設定の可能性など、自動車ジャーナリストの山本シンヤ氏が鋭く予測します。
日産「次期スカイライン」ついに姿を現す!? 伝統継承&FRセダン継続か
2021年6月、某新聞社が報じた「スカイライン開発中止」という記事は、多くのファンに衝撃を与えました。
日産の象徴とも言えるモデルの終焉を予感させる内容でしたが、これに対して当時の執行役副社長・星野朝子氏は「そのような意思決定をした事実は一切ございません。日産自動車は決して『スカイライン』を諦めません」と、報道を真っ向から否定したのです。
とは言え、2013年にデビューした現行モデル(V37)は、すでに登場から13年が経過しています。
昨今、フルモデルチェンジのサイクルが長期化しているのも事実ですが、それを差し引いても超ロングライフなモデルであることは間違いありません。
2024年に行なわれた日産の経営計画「The Arc」のプレゼンで、丸目4灯テールの映像が流れ、「これが次期スカイラインなのか?」と言うウワサでメディアは大騒ぎになりました。
しかし、その後の日産の経営状況は大きく変化します。社長を含めた経営陣は一新され、現在経営再建計画「Re:Nissan」を遂行中。The Arc発表の時とは置かれている状況が全く異なっているのです。
多くの人は「日産はスカイラインを諦める」と思っていましたが、イヴァン・エスピノーサ社長は、筆者(山本シンヤ)のインタビューでこのように語っていました。
「再建のためには台数と収益を重視した『コアモデル』はとても大切ですが、私は日産のDNAを体現するアイコニック『ハートビートモデル』、つまりワクワクするクルマを活用して皆さんを“笑顔”にすることも大事だと考えています」
その言葉の真意は、2026年4月14日に行なわれた「経営再建後の長期ビジョン」にありました。
AIを核とした知能化/電動化に加えて商品ポートフォリオ刷新などが発表されましたが、その中で次期スカイラインの存在が明らかになったのです。
公開されたのは前後の一部を写した2点の画像のみですが、そこから読み取れる“ファクト”と、私がこれまで日産の現場で得てきた“ヒント”を元に、次期型を予測してみたいと思います。
まずはエクステリアです。フロント周りの画像を見ると歴代モデルのモチーフを現代的に解釈したデザインです。
鋭く切れ長のヘッドライトとグリルを含めた全体の雰囲気は10代目(R34)を思い出しますが、ディテールを見ていくとヘッドライト部分が膨らんだデザインは3代目(ハコスカ)のイメージもあるかな…と。
ちなみにセンターには“日産”エンブレムではなく“S”エンブレム採用もスカイラインらしさを強調しています。
リア周りの画像を見ると、スカイライン伝統の丸型4灯テールランプはR34や現行(MC後)のように内側よりも外側が大きいデザインです。
リアドアからフェンダーにかけてのキャラクターラインは歴代スカイラインのアイコンの1つ「サーフィンライン」のオマージュです。
リアのサイド部の“筆記体”の「Skyline」エンブレムもこれも歴代モデルと瓜二つです。
そして、リアドアのパーティングラインとアウタードアハンドル、更にはフェンダー周りの面積とリアウィンドウの角度などから“セダン”で間違いありません。
ちなみに今回の発表でインフィニティブランドの今後の戦略として「走りを重視したV6セダン」の投入が予告されました。素直に考えれば「Q50」の次期モデルですが、このクルマはスカイラインのインフィニティ版です。
次期スカイラインの歴代オマージュのデザインを考えると、共有するのか。それとも別デザインになるのか。非常に興味深いポイントです。

メカニズムはどうでしょうか。これに関してのアナウンスはゼロですが、画像と発表に関するリリースにヒントがありました。
まずリアの画像ですが、注意深く見るとエンブレム前の給油口の位置と形は現行モデルと同じであることが解ります。ということは、次期スカイラインの基本骨格はV37と同じと考えられます。
ちなみに現行「フェアレディZ」と同じ考えだと思いますが、今の日産のお財布事情(数が出ないFR系プラットフォームは新規開発できない)を考えると仕方ない所ではあります。個人的には現行「セレナ」のように“魔改造”レベルで手が入ることを期待したいと思います。
リリースにはこのように記されています。
「日本市場のハートビートモデルであるスカイラインは、ドライバー中心で、高性能で意のままの走りを実現します」
これと現在日産が持つリソーセスを踏まえると、このように推測ができます。
まず「高性能」ですが、日産が現在持つユニットの中で速さ・フィーリング共にふさわしいのは、現行モデルのV型6気筒DOHCツインターボ(VR30DDTT)しか存在しないので、その進化版(NISMO用の420ps/550Nm同等もしくはそれ以上のスペック)が本命でしょう。それとも、何らかの電動化ユニットがドッキングされるのでしょうか。
「ドライバー中心」を自分で操る領域の拡大と解釈すると、現行モデルのATに加えてMT設定を示唆していると予測できます。すでにフェアレディZに搭載済みなので水平展開は容易いはずです。
「意のままの走り」はスカイライン=GT(グランドツアラー)であり、いつでも/どこでも/誰でも安心・安全に走れると解釈すると、現行モデルで採用されたDAS(ダイレクト・アダプティブ・ステアリング)の進化版は搭載されるでしょう。
個人的には現行モデルの途中でラインアップ落ちしてしまったプロパイロット2.0の復活も期待したい所です。
ちなみにGT-R/Zの元開発責任者で現在アンバサダーを勤める田村宏志氏は「GT-R NISMOの600psは『1輪で受け止められる馬力=150ps』から計算したモノです。つまりFRは300psくらいが適正ですがZは400psオーバーです。そこは余った100psを“遊び”に使ってください」と語っていました。
フェアレディZと違ってスカイラインはGT(グランドツーリング)が基本ですので、個人的にはセダン=オールラウンダーと考えると、FRではなく4WDの可能性も否定できないかなと思っています。
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エスピノーサ氏はプレゼンテーションで「スカイラインは日産の源流と魂の象徴である」と語りましたが、筆者が会見後に「経営再建を果たして成長を遂げた後に叶えたい夢は何でしょうか?」と聞くと、「夢は“3つ”あります。それはZ、スカイライン、そしてGT-Rです」と嬉しそうに話してくれました。
GT-Rはもう少し待つ必要がありそうですが、すでにZは大幅改良モデルが控えています。
そして今回、ついに次期スカイラインの姿が見えてきました。2027年はスカイライン生誕70周年の節目の年です。
日産の歴史そのものと言っていいスカイラインがどのような次世代の姿を見せてくれるのか。期待は高まるばかりです。





















































