ボロボロのトヨタ「AE86トレノ」が“復活”! 「屋外放置でサビだらけ」がほぼ“新車並み”に! 熟練の「匠」が手掛けたレストア車両に注目! オートモビルカウンシルで披露
トヨタは、旧車を中心とするイベント「オートモビルカウンシル2026」で、フルレストアを行った「スプリンタートレノ」を展示しました。どのようなクルマなのでしょうか。
ほぼ新車!? 社外メーカーとの“共存”で蘇った「トレノ」
トヨタは2026年4月10日から12日にかけ、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された旧車を中心とするイベント「オートモビルカウンシル2026」で、ブースを出展しました。
ブースではフルレストアを行った「スプリンタートレノ」(AE86型)が展示されました。どのようなクルマなのでしょうか。
AE86型スプリンタートレノは、1983年5月に発売された4代目「スプリンタートレノ」のうち、4気筒ツインカムエンジンを採用するスポーティモデルです。
ハンドリングに優れた940kgの軽量コンパクトなボディに、高出力・高回転型の1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4A-GE型」を搭載。
姉妹車の「カローラレビン」とともに、当時のドリフトブームで大ヒットしたほか、自動車漫画「頭文字(イニシャル)D」などに登場したことなどがきっかけで、近年も熱狂的に支持されています。
いっぽうで、AE86型の最終モデルも1987年に販売が終了しており、すでに40年近くが経過。多くが経年劣化や激しい走行などで廃車になったものも多く、ノーマルで現存する個体が激減しています。
さらに、AE86型に限らず、製造から40年近くが経過すると、パーツのストックがほとんど枯渇するため、修理事態が不可能になるケースが多くあります。
![「GRガレージ水戸けやき台店」で「ヘリテージパーツ」を用いてレストアされた1986年式「スプリンタートレノ」[オートモビルカウンシル2026]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/04/20260414_toyota_ae86_trueno_amc26_00.jpg?v=1776162966)
そうしたなか、トヨタは現在、ヘリテージカーや貴重なクルマを後世に残し、旧車のコミュニティ支援やヘリテージカーに乗る楽しみを広げる「TOYOTA CLASSIC」活動を行っており、GAZOO Racing部門でも、旧車を永く乗り続けられる取り組みを行っています。
なかでも、GAZOO Racingによる「GRヘリテージパーツプロジェクト」では、現在8車種・300点以上の部品を復刻、再販売を行っているほか、全国の「GRガレージ」販売店では、ユーザーのクルマのレストア作業を受け付けているなど、旧車を残す取り組みを強化しています。
今回展示されたAE86型スプリンタートレノは1986年式で、装備が簡素化された硬派な走り向けグレード「GTV」です。いっぽう展示個体はサンルーフが装備されており、比較的珍しいものとなります。
「GRガレージ水戸けやき台店」(水戸市)でレストアが行われた車両で、ボディの補修から、復刻販売が行われたパーツを用いた機関系の整備まで実施し、新車同様の姿に蘇っています。
走行距離は13万キロを走っている個体で、当初は放置されていたといいます。そのため、かなり大掛かりな作業が必要だったようです。ブースの担当者は、レストア工程について、このように話しています。
「レストアには4か月かかりました。放置車両だったため、ボディのサビがひどく、その補修が必要になっています。
レストアを担当したスタッフは、年齢的にAE86型(の整備)を全盛期にやっていた世代ですね。90年代にメカニックをやっていて、今60歳を過ぎて定年になった方の第二の人生として。
それを若いメカニックへ技術の継承をすることもできています。今のクルマに慣れちゃうと、古いクルマは(診断機を繋げばいいわけじゃないので)敬遠しがちですけど。現物修理というのも腕を磨く上では大事なことなので」
単にレストアを行うだけでなく、その工程のなかには熟練の「匠」の技を伝承する意味もあるといいます。
では、レストアを行うにあたって、パーツ類はどのように調達しているのでしょうか。また、ヘリテージパーツはどのような部品が復刻販売されているのでしょうか。
「AE86に乗っている方から困っていると寄せられたのが、劣化して車検に通らなくなる(ライトの)レンズ類やウインドウモールなどの樹脂・ゴム類ですね。
まずはそういったパーツから必要だと考え、要望の多い、優先順位が高いものから(復刻販売部品を)出すということをしています。
フェンダーなどの部品はないですが、サードパーティ(純正品ではない社外)さんからクォーターパネルとかバックパネル、リアフロアパネルは出るので、そこは貼り替えています。
リアのブレーキキャリパーは出ていますし、ショックアブソーバーなんかはサードパーティさんが出してくれています」
AE86型のような人気の旧車は、品質の良い社外品が製造されていることもあります。
トヨタではそうした社外メーカーとの共生も大切にするため、すべてのパーツを復刻販売するのではなく、社外メーカーが作れないようなパーツの復刻販売を行っています。
「このクルマが今まで維持できてきたのはそういう(社外品の)存在があったからなので、そこは潰さないように、うまく共存する形ですね。サードパーティさんが頑張っているところには入り込まないようにしているんです」
展示車のスプリンタートレノには、ヘリテージパーツのエンジンヘッドやエンジンブロックを使用。特に4A-GE型のエンジン回りのパーツについては豊富になってきたといいます。
さらに、復刻販売するにあたり、パーツ自体の質も良くなっているようです。
「材料・材質が良くなっています。当時の材料ではなく今の材料で作るので、耐久性は上がっていると思います。エンジンもブロックの強度を上げたり、吸気ポートを少し変えて効率を良くしたり」
「昭和のクルマを令和の技術で蘇らせる」というこのレストアの取り組みですが、単に古いクルマを直すということだけでなく、後世に残すべき名車としての価値を見出し、さらにメカニックの技の伝承や、クルマ自体の耐久性の向上など、非常に多くの意義があるようです。
なお、GRガレージでは水戸けやき台店だけでなく、「GRガレージ富山新庄」(富山市)などでもレストアを実施しており、今後のレストア事例にも期待が膨らみます。
Writer: くるまのニュース編集部
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