トヨタ「新型4WDスポーツカー」発売! 300馬力超えターボ搭載「高性能マシン」が「自在に扱える」!? 斬新「ハンドル」がバツグンに効いてる“26式”「新型“GR”ヤリス」どう変わった?
トヨタ「GRヤリス」の一部改良モデル(通称“26式”)では、操縦性に直結する重要なアップデートが施されました。なかでも注目されているのが新開発の「GRステアリング」の採用です。
モータースポーツの現場で磨かれた「GRステアリング」に注目
2026年4月6日、GRヤリスの一部改良モデル(通称“26式”)が発売となりました。改良型では新形状の「GRステアリング」初採用などによって、操舵レスポンスや限界域での安定性向上が図られています。
GRヤリスは、2024年のマイナーチェンジでエンジン性能の大幅な向上が図られました。最高出力は200kW(272PS)から224kW(304PS)へ、最大トルクも370Nmから400Nmへと向上し、日常域からスポーツ走行まで幅広いシーンで力強い加速を実現しました。
しかしながら、性能向上というひとつの到達点に至ったことで、新たな課題が顕在化したそう。
モータースポーツの現場では、ステアリングを持ち替えずに180度近く転舵する場面がありますが、その際、従来のステアリングではスイッチ類と手のひらが干渉し、「理想的な位置に手を置けない」ことが操作精度に影響するという指摘が、プロドライバーから寄せられたのです。
また、高いグリップ性能と制動力制動力を前提とした高負荷コーナリング時には、電動パワーステアリングのアシスト特性にも改善の余地があると評価されたといいます。

こうした背景をうけて開発されたのが、今回の改良で採用された「GRステアリング」です。
まず大きな変更点として挙げられるのが「小径化」です。外径は従来比で約5mm縮小され360mmとなりました。これにより、ステアリング操作に対する応答性が向上し、よりダイレクトな操舵感を実現しています。
加えて、旋回時にステアリングを押し込む操作を行った際のフィット感を高めるため、グリップ形状も見直されています。
スイッチ類についても、サイズや配置が最適化され、操作時の干渉を抑えるとともに、視認性と操作性の向上が図られました。細かな変更ですが、限界領域における操作精度に直結する重要な改良といえます。
電動パワーステアリング(EPS)にも手が加えられています。
トルクセンサー内のトーションバー剛性の見直しに加え、ステアリングトルクの検出範囲を拡大。さらに制御の最適化が行われました。
これによって、高負荷な旋回時においてもドライバーの入力をより正確に車両へ伝え、狙ったラインをトレースしやすい安定した操舵フィールを実現しています。
このように、今回の改良はステアリング形状の変更とEPSのハードおよび制御の進化を組み合わせることで、「操作→反応→挙動」という一連の流れ全体が磨き込まれました。
開発過程では複数の試作ステアリングが製作され、サーキット走行を通じた評価が繰り替えされたといいます。
プロドライバーのフィードバックをもとに細部の調整が重ねられた結果として、この形状にたどり着いたそう。モータースポーツを起点とするGRブランドらしい、実践志向の開発プロセスだったようです。
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今回のGRヤリス改良モデル“26式”は、「ドライバーが意図した通りにクルマを動かせるか」という根源的な性能を磨き込むためのアップデートです。
元自動車メーカーエンジニア(筆者:吉川賢一)の経験からいえば、こうした操縦系のチューニングは、スペック表には表れない一方で、実際の走りの質感には極めて大きく影響します。
「意図した通りに動く」という安心感は、限界走行時だけでなく、日常の交差点を曲がる瞬間にも必ず現れます。
モータースポーツの現場で磨かれたこの「GRステアリング」が、GRヤリスの走りをどう深化させたのか。ぜひとも味わってみたいものです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

































































