「いやいや…避けられないよ!」 橋の上で停車したクルマに大型トレーラーが追突! 駐停車禁止エリアだった!? “双方”の運転手を書類送検 路上駐車の危険性とは?
2025年9月、長崎市にある女神大橋で停車中のクルマに大型トレーラーが追突し、トレーラーの運転手が死亡した事故について、双方の運転手が書類送検されました。一体どのような事故だったのでしょうか。
追突されたクルマは無灯火で駐停車禁止場所に停車
2025年9月13日の午前3時頃、長崎県長崎市にある有料道路「女神大橋」において、駐停車禁止の車線に止まっていた普通乗用車に大型トレーラーが追突する事故が発生しました。
この事故の衝撃により大型トレーラーは反対車線の欄干に突っ込み、トレーラーを運転していた50歳の男性は約65m下の海に転落、脊髄性ショックで死亡しました。普通乗用車に乗っていた22歳の会社員の男性は腰の骨を折るなどの大ケガを負いました。
なお会社員の男性は事故の発生前、駐停車禁止の場所にクルマを約27分停車していますが、そのうち約13分間はヘッドライトを消して無灯火の状態で止まっており、その直後に事故に遭ったものとみられます。
捜査関係者によると、会社員の男性は停車中に携帯電話で交際相手と通話していたということです。
また、現場に大型トレーラーのブレーキ痕は残っていませんでした。

この事故について長崎県警は2026年3月16日、橋の上で停車していた運転手を過失運転致死の疑いで、追突したトレーラーの運転手を被疑者死亡のまま過失運転致傷の疑いで、それぞれ長崎地検に書類送検しました。
これは会社員の男性が橋の上の駐停車禁止場所に長時間にわたってクルマを停車したことや、夜間停車する際に灯火をつけていなかったなどの過失が今回の事故を引き起こす一因になったと判断され、書類送検されるに至ったものです。
男性は警察の調べに対し、橋の上で止まっていたことなど容疑を認めています。
今回のニュースに対してインターネット上では、「そんな時間に無灯火で駐車禁止場所にクルマが止まっているとは思わないだろう。トレーラーのドライバーもギリギリ回避しようとしたのでは」「こんなの避けられない」「トレーラーの運転手の方があまりにも気の毒でかわいそう」などの声が上がっています。
意外と知られていませんが、路上駐車車両に走行車両が接触・衝突するような事故では、走行車両側の責任が大きくなることが一般的です。これは、走行車両側が前方をよく注視し、衝突を回避する義務があるためです。
ただし今回のように、路上駐車をしていた側が駐停車禁止場所にクルマを止めていた場合や、夜間で視界が悪い場所に無灯火でクルマを駐車していた場合などは、路上駐車をした運転手にも過失があったとみなされます。
仮にクルマの故障でやむを得ず路上に駐停車する場合であっても、クルマのライトやハザードランプを点灯のうえ、クルマの後方に停止表示器材を設置するなど、事故を防止する対策をとるべきでしょう。
特に高速道路上で故障車を駐停車する際は、三角表示板のような停止表示器材をクルマの後方の見やすい位置に置くことが法令で義務付けられているため、日頃から車内に積んであるかを確認しておくことが大切です。
そのほかインターネット上では「(道路の)管理事務所についても、長時間停車していてモニターに映っていたのに、当直者の怠慢により適切な処置をしなかった。何のために当直者が監視していたのか」など、道路管理者に対する批判の声も寄せられました。
女神大橋を管理する長崎県道路公社は今回の事故について、「監視員が監視カメラのモニター前から離席していた際に事故が発生した」としたうえで、今後機材の配置を見直すこと、料金の収受業務をおこなう者と連携して監視体制の強化を図ることなどを明らかにしています。
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夜間、暗い場所で路上駐車をすると後方から追突されるといった事故の危険性が高まります。
路上駐車する側が事故防止対策を講じることはもちろんですが、ほかの通行車両も必要に応じてハイビームを活用するなど、前方の状況をよく確認する意識を持つことが肝要です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。















