最も盗まれている車って何? トヨタ「アルファード」を抑えて“圧倒的多数”の車とは? 自動車盗難事故実態調査を公表
日本損害保険協会は2026年3月4日、自動車盗難事故実態調査の結果を公表しました。同調査によると、車両本体の盗難に関する保険金の支払いは3年連続でトヨタの高級SUV「ランドクルーザー」が最も多い結果となりました。
1件あたりの支払い保険金は297.5万円!支払い総額は10億増
日本損害保険協会は2026年3月4日、「第27回 自動車盗難事故実態調査結果」を公表しました。
これは2023年1月1日~2025年12月31日までの間、全国で発生した車両本体の盗難事故と車上ねらい(部品盗難を含む)事故に関して、各損害保険会社が実際に保険金の支払いをおこなった事案の詳しい状況をまとめたものです。
同調査によると、2025年中に発生した「車両本体盗難」事案に対する保険金の支払い件数は2746件、1件あたりの支払い保険金は297万5000円であり、保険金の支払い総額は約82億円にものぼります。
この「車両本体盗難」については1件あたりの支払い保険金が年々増加傾向にあり、保険金の支払い総額も2024年と比べて10億円以上増えています。
また「車上ねらい」事案に対する保険金の支払い件数は672件、1件あたりの支払い保険金は72万9000円であり、支払い総額は約4億9000万円でした。
そして2025年中の「車両本体盗難」事案について、保険金の支払い件数を車種別にみると次のような結果となりました。
1位:トヨタ・ランドクルーザー 825件(全体の30%)
2位:トヨタ・アルファード 240件(8.7%)
3位:トヨタ・プリウス 204件(7.4%)
4位:トヨタ・クラウン 136件(5%)
5位:レクサス・RX 113件(4.1%)
6位:レクサス・LX 109件(4%)
7位:トヨタ・ハイエース 58件(2.1%)
8位:レクサス・LS 53件(1.9%)
9位:トヨタ・ハリアー 43件(1.6%)
10位:トヨタ・ヴェルファイア 37件(1.3%)
この上位10車種で保険金の支払い件数の66.2%を占めており、高級車が多く盗難被害に遭っている状況がうかがえます。特に、1位から3位までの車種は3年連続で同じ順位であり、その狙われやすさが浮き彫りとなりました。
なお、一般的に盗まれた自動車は「ヤード」と呼ばれる保管・解体施設に運ばれて解体された後、コンテナに積み込まれて海外に不正輸出されるという現状があります。

さらに「車両本体盗難」の保険金支払い件数を都道府県別にみると、2025年は愛知県が最多の622件、次いで埼玉県の306件、神奈川県の279件、千葉県の233件、大阪府の224件などという結果でした。
愛知県では豊田市にトヨタ自動車の本社があるため、トヨタ車(レクサス含む)の保有率が他の都道府県より高いと言われており、この点が盗難台数に影響した可能性が考えられます。
加えて埼玉県や千葉県などでは「ヤード」の件数が多く、盗難自動車の保管や解体がしやすい環境であることが影響しているものとみられます。
そのほか、同調査によると「車両本体盗難」が発生した時間帯は深夜~朝(22時~翌9時)までが60.2%と最も多く、次いで日中(9時~17時)の27.1%、夜間(17時~22時)の7.3%となりました。
基本的に人が寝静まっている深夜時間帯の犯行が多いですが、日中の犯行も決して少なくないため、油断は禁物です。

自動車盗難の手口としては、スマートキーから発せられる微弱な電波を増幅して中継し、リレーのようにつないで自動車の鍵を開ける「リレーアタック」や、自動車の配線に特殊な機器をつないで鍵を開ける「CANインベーダー」など様々な方法があります。
現在は自動車メーカーが盗難防止対策を講じると、犯罪組織が新たな盗難手法を生み出すという“いたちごっこ”の様相を呈しており、自動車の盗難を防ぐためにはタイヤロックやハンドルロック、駐車場の出入口に門扉を設置するなど物理的な対策が重要です。
またCANインベーダーは、特殊な機器を車両の左側面の配線につなぐ手口であることから、クルマの左側を駐車場の壁ギリギリに寄せて駐車するなど、犯人が作業できるスペースを作らないことも有効な対策といえるでしょう。
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上記のとおり、「車両本体盗難」で支払われた保険金の平均は297万5000円ですが、一般的に盗まれた車両の時価総額はそれを大きく上回っており、自動車の窃盗はユーザーが非常に大きな損害を被る許しがたい犯罪です。
警察による不法ヤードの取り締まりや、税関の不正輸出を防ぐ水際対策の強化など、各機関が連携して対策を推進していくことが求められます。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。








































