なぜ国内販売トップ5中4台も!? スライドドア付きの軽自動車が人気の理由
スライドドア&背高車が今では日本の自動車文化
その一方でスライドドアを装着したクルマは、軽自動車が激しいライバル競争を通じて商品力を高めています。ボディ形状が似ているミニバンには、アルファード&ヴェルファイアのようなイメージリーダー車があり、この売れ行きも堅調です。
少々大げさにいえば、スライドドアを備えた背の高い乗用車は、今では日本の自動車文化なのでしょう。好んでそうなったのではなく、ほかのカテゴリの魅力が薄れたことで、結果的に日本車の主役になりました。「スライドドアの付いた人気車を選べば間違いない」という認識が広がり、この中で最も経済的なのが背の高い軽自動車です。
セダンやクーペの実態は「海外向けに造った商品を日本でも売ってあげる」というものですが、スライドドアを備えた背の高いクルマは、日本のユーザーの生活を見据えています。
「日本のみなさんのために造った商品です」というメッセージが込められています。実用的か否か、価格が高いか安いか、といった機能の話ではなく、礼儀とか優しさの問題だと思います。
【了】
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。