なぜ国内販売トップ5中4台も!? スライドドア付きの軽自動車が人気の理由

トヨタでもユーザーニーズを考えずに開発し失敗した車種も

 この流れが定着すると、スライドドアを備えていないクルマは、物足りない印象になってしまいます。スライドドアが乗降性を超えた満足感とか、立派に見える存在感を得られる装備になりました。

2018年上半期販売台数トップのホンダ「N-BOX」

 ちなみに以前、先代トヨタシエンタの後継車種として、後席のドアを横開きにしたコンパクトなパッソセッテが発売されました。これがサッパリ売れず、先代シエンタは2010年8月に一度販売を終えながら、2011年5月には生産を再開しています。結局、パッソセッテは短期間で販売を終えました。

 パッソセッテは後席が狭く、スライドドアも付かず、さらにミニバンでありながら車名にコンパクトカーの「パッソ」を付けています。これではトレンドに乗れず、「パッソ」だからファミリーユーザーの憧れにもなり得ません。パッソセッテは、トヨタ車にしては珍しく、ミニバンを買う人達の気持ちを理解せずに開発された商品でした。

 このように今では、背の高いボディにスライドドアを装着していると、何となく良いクルマに感じられる時代になりました。その背景には、ほかのカテゴリの変化が乏しかったり、日本のユーザーから離れた事情もあるでしょう。

 例えばかつての4ドアセダンは、今と違って品ぞろえが豊富でした。コンパクトな5ナンバー車、外観をクーペのようにカッコ良く仕上げた天井の低い4ドアハードトップもたくさんありました。

 ところが近年は4ドアハードトップを廃止して、セダンはボディの大柄な海外向けの車種ばかりです。欧州車には30~40年前の日本車を思わせる天井の低い「4ドアクーペ」が増えて、売れ行きを伸ばしています。何とも皮肉な話です。

 ステーションワゴンもかつては車種が多かったですが、国内ではミニバンの需要に押され、北米でもSUVとは逆に市場を縮小させて日本車は選択肢を減らしました。この隙間を突いて、欧州のステーションワゴンがシェアを拡大しています。

 2/3ドアクーペは世界的に売れ行きが下がりましたが、日本ではそれ以上に車種が減り、今では一部のユーザーだけが乗るクルマのようになっています。

売れ筋TOP5と人気ミニバンを写真でチェック(画像13枚)

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