ホンダの新たな「シビック“スゴい”タイプR」まもなく発売! ほぼ“レーシング”な市販予定モデル!? HRCが手がけた“究極のピュアスポーツカー”どう進化したのか
東京オートサロン2026にホンダが出展した「シビックタイプR HRCコンセプト」は、HRC(ホンダレーシング)がシビックタイプRをベースにつくりあげた「究極仕様」です。その全身にはレース直系のこだわりが詰め込まれていました。
あえていま「走り」を追求したガソリンモデルを提示した意義とは
2026年1月9日から11日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「東京オートサロン2026」ホンダブースで、とりわけ熱い視線を集めていたのが「シビックタイプR HRCコンセプト」です。
HRC(ホンダレーシング)が手がけたこのモデルは、市販化を強く意識した“究極仕様”として登場しました。
HRCのシビックタイプRといえば、2025年11月に富士スピードウェイで開催されたスーパー耐久第7戦において、新開発のレース用エンジン「HRC-K20C」を搭載した271号車(ドライバー:大津弘樹選手)が、ST-Qクラスのコースレコードとなる1分44秒670を記録し、大きな話題を集めたばかりです。
HRC会長・渡辺康治氏のプレスカンファレンスによると、本モデルはHRCの風洞設備や高度なシミュレーターを活用し、アドバイザーの佐藤琢磨氏をはじめ、大津弘樹選手、岩佐歩夢選手らの協力を得ながら、将来的な市販化を見据えて開発を進めているとのこと。
つまり本モデルは、「販売前提」で作り込まれているメーカー純正のコンプリートカーといえる存在なのです。

ベースとなっているのは、現行(FL5型)のシビックタイプR。国内最強クラスのFFスポーツとして高い完成度を誇るこのモデルを、HRCが“レース直系の視点”で徹底的に磨き上げた究極仕様となります。
壇上に展示された車両は偽装状態でしたが、随所から覗く専用エアロパーツが、ノーマルモデルとは明らかに異なるオーラを放っていました。
まず目を引くのが、フロントスプリッターを備えたフロントバンパーアンダースポイラーと、バンパー左右に追加された大型カナードです。
フロア下面、ボディ上面、左右方面へと流れる空気を最適化し、効率的にダウンフォース発生させる構造となっており、空力性能の向上を強く意識した設計であることがうかがえます。
またラジエーターにはHRCのロゴが確認でき、冷却性能の強化を目的とした専用パーツが採用されているようです。
ボディサイドでは、純正フェンダーアウトレット上部に追加されたエアロフェンダーや、リアタイヤ前方でキックアップする形状のサイドステップが装着されています。
これらは、フロントフェンダー周辺を通過した気流を車体後方へと整流し、空気抵抗の低減や車体安定性の向上を狙ったものと考えられます。
タイヤとホイールは標準車と同様、ミシュランの「パイロットスポーツカップ2(265/30ZR19)」と19インチ鍛造ホイールの組み合わせでした。
リアまわりでは、リアウイングの翼端板が大型化され、リアバンパー左右には大型ディフューザーを装備。車両後端における空気の剥離を制御するエアロダイナミクスが徹底されており、スーパー耐久やSUPER GTで培われたHRCの豊富な経験と知見が色濃く反映されている印象です。
先代FK8型、そして現行FL5型と2世代にわたってシビックタイプRの開発責任者を務めたホンダの柿沼秀樹氏によると、本車両はエアロダイナミクスを軸に、サスペンションセッティングや排気系、冷却システムなどを含めた総合性能の向上を目指し、現在も開発が進められているとのことです。
今回はインテリアの詳細や、エンジンへの具体的なチューニング内容は明かされませんでしたが、スーパー耐久で注目を集めた新エンジン「HRC-K20C」が、市販仕様に採用される可能性も十分に考えられるでしょう。
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近年、環境規制の強化によって純ガソリンのスポーツカーが貴重な存在になりつつある中で、ホンダがここまでストレートに「走り」を追求したモデルを提示した意義は非常に大きいといえます。
このまま市販化が実現すれば、間違いなく大きな話題を呼ぶ一台になるはずです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど







































