なぜ「見通しの良い」交差点で事故? 接近する車に気づかない! 誰でも起こりうる「コリジョンコース現象」とは
周囲に田畑が広がるあぜ道など見通しの良い交差点にもかかわらず、出会い頭の衝突事故が起きることがあります。一体なぜなのでしょうか。
周囲に田畑が広がるあぜ道など見通しの良い交差点にもかかわらず、出会い頭の衝突事故が起きることがあります。一体なぜなのでしょうか。
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人間の目は中心点の解像度が高く、周囲に行くに連れて解像度と注意力が下がる傾向にあるので、交差点がある(黄色に十字の注意標識)をいつも無視している人にはどうにもならないと思いますよ。
これは同じ速度で交差しようとしている車輌は止まって見えるとかそういうものじゃなくて、モノを見るという本人の性格によるもの。不注意な人や見たいものしか見ていない人にとっては、見えているものさえ見えていないのです。
あと、いくらコリジョンコース現象がどうこう言いますが、そもそも深視力があれば距離感は掴めますから近づいて来るのが分かります。
つまり、周囲への注意力(点ではなく面で見る)と、距離感(深視力)が無い人(視力が悪い人や視野の狭い普通の眼鏡を)には口や図で説明しても無理でしょう。図や映像で見るのと実際の運転では「見る」の意味が違いますので。
他には、交差する車がAピラーに隠れたまま交差点に接近すると、Aピラーから相手がはみ出るまで見えないでしょう。郊外の田畑を走る農道など何もない道路ほど人は注意力が落ちます。
今回の郡山市大平町の事故は双方が見通しが悪く4人が焼死した被害車両は上り、加害車輌は下りで左右に斜面があり、左右の見通しはゼロ。一時停止の標識も無かった。停止線は消えかかっていたとニュース映像で分かります。
しかしながら、交差点で出会い頭の衝突事故は左右が見えなくても事故当時は夜であり相手車両のライトが路面に照らされるので、交差する道路があること。無灯火でない限り車が来ている前兆は視認可能です。結局のところ、そういった前兆を全く気にしないドライバーによる危険感受性の低い事故で、加害者は若いこともあって運転に対する経験不足であったと思われます。被害車輌も防衛運転に徹していれば家族4人とも亡くなることも無かったでしょう。
また、この季節は雪で周囲の色は限りなく白です。危険感受性の高いドライバーは自分の存在をアピールするために昼でもライトを点灯しますので、相手には気づいてもらえる確率が高まります。山間部のつづら折りなら昼間点灯+ハイビームにしてけばカーブの路側の雪にライトが照らされて、かなり前から対向車がカーブの先から来る!と分かります。
でも、白い車が白銀の世界で日中に無灯火だとすれば致命的です。トンネル内でも吹雪でもライトを点けないドライバーはかなり居ます。こういった危険に無自覚なドライバーは事故の当事者。または加害者に成りやすいといえます。しかもこういった事故では、加害者になるのはほぼ停止義務がある側で、注意義務を怠ったこと。
視認しづらい状況下での無灯火は、自分が見えていることと、相手に見えているのとでは状況が違います。