1リットルで“32km”走る! スズキ斬新「“2ドア”クーペ」に大注目! たった“800cc”ターボエンジン搭載&「超軽量ボディ」採用! めちゃ“スズキらしい”エコカー「レジーナ」とは!
かつてスズキが、高価で複雑な電動デバイスに頼らないエコカーの作り方を示した「レジーナ」とは、一体どのようなモデルだったのでしょうか。
スズキ斬新「“2ドア”クーペ」に大注目!
2025年10月末から11月にかけて開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」。
そこでは各自動車メーカーが技術の粋を集めた未来のモビリティを提案し、数年以内の市販化を見据えた現実的なプロトタイプもあれば、既存の概念を覆すような実験的なモデルも並びました。

こうした最新の提案の一方で、過去のモーターショーで注目を浴びた「先見的なコンセプトカー」にも再び焦点が当たっています。
例えば、今から10年以上前に開催された「東京モーターショー2011」においてスズキブースを飾った「Regina(レジーナ)」も、その特異なスタイリングと明確な開発思想によって、来場者に強烈なインパクトを残した一台でした。
当時は、各社がこぞってハイブリッド技術やEV開発を競い合っていた電動化の黎明期から成長期にあたる時代。
そんな中でスズキが世界初公開したレジーナは、高価なハイブリッドシステムや大容量バッテリーに頼ることなく、ガソリンエンジン車の基本性能を突き詰めることでエコカーを作るという、スズキらしい現実的かつ挑戦的なコンセプトカーだったのです。
レジーナに掲げられた開発テーマは「省資源・低燃費な次世代グローバルコンパクトカー」です。スズキの開発陣はこの目標を達成するために、従来モデル比で100kg以上の軽量化と、空気抵抗の10%低減という極めて高いハードルを設定しました。
その結果、ガソリン車でありながら、当時の最新ハイブリッド車に匹敵する「燃費32km/L以上(JC08モード)」、および「CO2排出量70g/km以下(欧州計測値)」という驚異的な環境性能を示したのです。
クルマを構成する要素を根本から見直し、無駄を削ぎ落とすことで効率を高める。複雑な電動デバイスや高価なバッテリーを使わずに低燃費を実現するアプローチは、コスト意識が高いスズキらしい回答として、業界関係者やメディアからも高い評価を受けました。
この思想は、ひと目でそれと分かる個性的なエクステリアデザインにも反映されています。
フロントからリアへと流れるような流線型のレトロフォルムは、単なる意匠的なスタイリングではなく、空気抵抗を極限まで低減するための機能美です。
さらに特徴的なのが、リアタイヤの上半分をボディパネルで覆った、「リアホイールスパッツ」を想起させるデザイン処理でしょう。
これはタイヤの回転によって生じる乱流を整えるための空力パーツとしての機能を備えながら、往年のフランス車やクラシックカーを思わせる独特の雰囲気を演出することにも役立っています。
インテリアもまた機能性によってデザインされた空間で、「情報の見やすさ」と「操作のしやすさ」を追求。
運転に必要な情報をドライバー前方に集中させることで視線移動を最小限に抑え、直感的な操作を可能にするインターフェースが採用されていました。
ボディサイズは全長3550mm×全幅1630mm×全高1430mm。全幅が1480mmを超えるため、軽自動車ではなく普通車(小型車)の枠組みとなりますが、特筆すべきはその車両重量です。
先述のように、クルマの部材と構造を徹底的に見直す合理化によって、レジーナは現代の軽自動車よりもはるかに軽い「730kg」という数値を実現したのです。
この超軽量ボディに搭載されるパワーユニットは、800ccの直列3気筒直噴ターボエンジンにCVTの組み合わせ。
駆動方式はFF(前輪駆動)とし、アイドリングストップシステムなどの省燃費技術を組み合わせることで、十分な動力性能と環境性能を両立しました。
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残念ながら、“レジーナ”という名前とデザインがそのまま市販車として世に出ることはありませんでしたが、このクルマが示した「徹底的な軽量化こそが正義」という設計思想と技術は、2014年に登場した8代目「アルト」へと色濃く受け継がれました。
8代目アルトはプラットフォームを刷新し、驚異的な軽量化を果たして市場を驚かせましたが、その根底にあったのはレジーナで培われたノウハウだったと言われています。
そして、その時に採用された軽量・高剛性プラットフォームこそが、現在では「ハーテクト(HEARTECT)」と名付けられ、軽自動車からコンパクトカーに至るまで、現在のスズキ車の骨格を支える基盤となっています。
このようにレジーナは単なるショーカーとして役割を終えたモデルではなく、今のスズキが世界で戦うための武器である「軽量化技術」の礎を築いた、歴史的にも重要な一台だったと言えるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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