トヨタ「MR-2」復活を示唆! 世界初の「画期的ランプ」&日本初の「レイアウト」採用! これまで“2シータースポーツカー”を支えてきた革新的技術って?

トヨタが出願した「GR MR2」の特許が2025年12月3日に公開されたことを受け、MR2復活への期待が高まっています。そんなMR2の歴代モデルには革新的な技術が採用されていましたが、一体どのようなものなのでしょうか。

革新的技術が搭載されてきた「MR-2」

 2025年12月3日に発行された特許庁の公報によって、トヨタが「GR MR2」という新たな商標を登録していたことが明らかになりました。

 1999年に販売を終了した2シータースポーツカー「MR2」が、近い将来復活するのではないかという噂も広がっています。

トヨタ「MR-2」の名前が特許登録!まもなく復活か!?
トヨタ「MR-2」の名前が特許登録!まもなく復活か!?

 特許庁に「GR MR2」の商標が出願されたのは、2025年11月25日です。商標登録の区分は第12類で、「陸上の乗物用の動力機械器具」や「自動車並びにその部品および附属品」などが含まれています。

 この商標を目にして、トヨタ往年の名車であるMR2の復活が近いのではないかと推測した人も少なくないでしょう。

 MR2は1984年に初登場した2ドアクーペで、2世代にわたり約15年間販売されました。車名は「ミッドシップ・ランナバウト・2シーター(Midship Runabout 2-Seater)」に由来しています。

 次期型の登場がささやかれる今、MR2の歴代モデルに採用されていた革新的な技術を2つ紹介します。

●【日本初】ミッドシップレイアウト

 初代MR2は、日本の量産車として史上初めてミッドシップレイアウトを採用したモデルとして知られています。

 車体中央付近、つまり前後の車軸の間にエンジンを搭載し、後輪を駆動する方式で、MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)と呼ばれます。

 ミッドシップレイアウトに加え、ガソリンタンクも車体中央に配置することで理想的な重量配分を実現し、キビキビとした優れた走行性能を発揮しました。

 パワートレインには、当時のカローラに搭載されていた1.5リッターおよび1.6リッターの直列4気筒エンジンが採用されています。

 なお、MR2を先駆けとする国産ミッドシップカーの系譜は、1990年に登場したホンダ「NSX」や、1991年登場の「ビート」へと受け継がれていきました。

●【世界初】ステアリング連動フォグランプ

 1989年に登場した2代目MR2では、ボディサイズがひと回り大きくなり、搭載エンジンも2リッターの自然吸気エンジンまたはターボエンジンへと進化しました。

 この2代目モデルの上級グレードに採用された先進技術が、「ステアリング連動フォグランプ」です。

 ステアリングの切れ角に応じてランプ内部のサブリフレクターが可動し、照射範囲を進行方向に左右最大30度まで拡大。夜間走行時の視認性を大幅に向上させる、当時としては画期的な機能でした。

※ ※ ※

 1999年から2007年まで販売されていた小型オープンカー「MR-S」以降、トヨタの市販車でミッドシップレイアウトを採用したモデルは登場していません。

 しかしトヨタはこれまで、MR2やMR-Sへのリスペクトを感じさせるコンセプトカーを複数発表してきました。

 そのひとつが、東京オートサロン2025に出展された「GRヤリスMコンセプト」です。GRヤリスをベースに、高出力な2リッター直列4気筒ターボエンジンをミッドシップに搭載し、4WDレイアウトを採用。スーパー耐久シリーズ2025への参戦も果たしています。

 もうひとつが、ジャパンモビリティショー2023で公開された「FT-Se」です。ミッドシップ車を思わせる低いフロントノーズなど、MR2と共通するプロポーションを持つEVコンセプトカーとなっています。

 これらのコンセプトモデルの存在は、MR2のスピリットを受け継ぐ次世代スポーツカーの開発を、トヨタがまだ諦めていないというメッセージなのかもしれません。

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Writer: 山城颯太

理系国立大学を卒業後、自動車メディアを中心にフリーランスのライターとして活動中。TOEIC 925点。クルマから電車、飛行機まで乗り物大好き。主に新型車のグレードに焦点を当てたモデル紹介、海外車の執筆などを担当。

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