日産「”ちいさな”GT-R」!? “全長4.1m級”ボディに600馬力「V6ツインターボ」×高性能4WD搭載! スーパーカー並のコンパクトSUVの「ジュークR」とは

日産のコンパクトSUV「ジューク」に、スーパーカー「GT-R」の心臓部を移植した究極のモデル「ジュークR」。最高出力600馬力を誇り、後のスーパーSUVの先駆けともなったこの“怪物”は、いったいどのようにして生まれたのでしょうか。

超コンパクトなGT-R!?

日産「ジュークR」は、論理的な製品開発ではなく、計算され尽くした企業的狂気の産物として生まれました。

 その開発は2011年頃、当時個性的ではあるもののスポーティとは見なされていなかった「ジューク」のブランドイメージを向上させるため、日産ヨーロッパが英国のモータースポーツ企業「RMLグループ」と組み、極秘プロジェクトとして始動しました。

コンパクトすぎるGT-R!?
コンパクトすぎるGT-R!?

 開発は社内の官僚的な手続きを避けるため、少人数の「スワットチーム(skunkworks)」方式がとられ、広報車両の中から“忘れ去られていた”ジュークとGT-Rを調達して作業が進められたのです。

 圧巻なのはその概念実証の手法で、GT-Rの複雑な4WDシステムが機能するかを試すため、GT-Rのシャシーを物理的に切断してホイールベースを250mm短縮するという、前代未聞の実験車両を製作しました。

 そうして誕生した初代ジュークRの限定生産モデルは、まさに“ジュークの皮を被ったGT-R”でした。

 心臓部にはGT-Rの3.8リッターV6ツインターボ「VR38DETT」エンジンが搭載され、最高出力545馬力、最大トルク約628N・mを発揮。0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は257km/hに達しました。

 GT-Rの広いトレッドを収めるためにアグレッシブなフェンダーフレアが与えられ、全幅は1910mmまで拡大。

 FIA基準のロールケージがボディの構造部材を兼ねており、GT-Rのメータークラスターや多機能ディスプレイが移植されたコクピットには、OMP製のレーシングバケットシートと5点式ハーネスが備わりました。

 物語は2015年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、さらに過激な「ジュークR 2.0」へと進化します。

 エンジンは「GT-R NISMO」のものに換装され、最高出力は600馬力にまで向上。強化されたエンジンの要求に応えるため、カーボンファイバー製のフロントバンパーには冷却用開口部が従来比で2倍以上に拡大されるなど、緻密な再設計が行われました。

 海外メディアの試乗レビューによれば、その加速は「コミカルなほど速い」「残忍(brutal)」と評されています。

 短いホイールベースと高い重心という物理的特性から、高速コーナーなどでは神経質な挙動を示したといいますが、開発陣は安全策として限界域で意図的にアンダーステアを呈するようにチューニングしており、それはドライバーが乗りこなす楽しみに満ちた、スリリングなマシンに仕上がっていました。

 ジュークRは、その希少性でも伝説となっています。当初はコンセプトカーとして2台のみが製作される予定でしたが、SNSでの大きな話題と、2012年のドバイでの実車披露時に富裕層から購入オファーが殺到したことを受け、限定生産が決定しました。

 初代モデルの生産台数は4台から6台という説があり、2.0を合わせても総数は十数台程度とされ、まさに「幻のSUV」といえます。価格も約5000万円から6500万円と、専門企業による手作業のエンジニアリングを反映した、スーパーカーそのものでした。

 ジュークRは、大手自動車メーカーが情熱的な小規模チームにすべてのルールを破ることを許し、純粋な情熱が不可能を可能にした、奇跡的なプロジェクトでした。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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