斬新「“4WD”スポーツカー」が凄い! 1.5リッターエンジン搭載で「370馬力以上」発揮! メーカー初「画期的ドア」&“軽量ボディ”採用! 開放感たっぷりのオープンモデルもあるBMW「i8」って?
近年、電動スポーツカーの競争が激化する中で、最新モデルではなく、10年以上前に誕生した一台が再び注目を集めています。未来を先取りしたデザインと先進技術が、いま改めて評価されているのです。そのクルマこそ、BMWが送り出した革新的スポーツモデル「i8」。当時の挑戦が、現在の電動化時代にどのように響いているのかを探ります。
新たなスポーツカーの形を先取り
近年、世界の自動車メーカーは電動化の波に乗り、次世代EVやハイブリッドスポーツの新情報が報じられることも多くなりました。
そんななか、10年以上前に登場した一台のクルマがにわかに脚光を浴びるようになりました。
ある人は「いま見ても全く古さを感じない」と語り、また別の人は「ようやく時代がこのクルマに追いついた」と評しています。
その車名を聞けば、電動化が話題になるたびに思い出す人も多いでしょう。未来を大胆に先取りし、環境性能とスポーツドライビングを両立させた、あの独特のシルエットを持つモデルです。
最近では中古価格が手の届く範囲に落ち着いてきたこともあり、再び注目度が高まりつつあります。

その一台こそ、BMWが送り出した革新的スポーツモデル「i8」でした。i8が初めて世界の前に姿を現したのは2009年のフランクフルトモーターショーです。
当時は「BMW Vision Efficient Dynamics」というコンセプト名が与えられ、環境性能を損なわずにスポーティな走りを実現するという、当時としては非常に先進的なビジョンを提示しました。
未来的なフォルムは来場者の視線を独占し、展示会場の空気を一変させたとさえ言われています。
そのコンセプトが具体化した「i8 Concept」が登場したのは2011年のこと。さらに2013年、ついに量産モデルが発表され、日本でも同年に注文受付が開始されました。
電動ブランド「BMW i」を象徴する存在として大々的に扱われ、その姿は多くのクルマ好きに強烈な印象を残しました。
2018年には電動開閉式ソフトトップを採用した「i8ロードスター」が追加され、ますます魅力が広がります。
スタイリングは、登場から時間が経った2025年の現在でもまったく古びて見えません。全長4690mm×全幅1940mm×全高1300mmというワイド&ローのプロポーションは、スーパーカーのような迫力を持ちながらも空力性能を徹底的に追求した結果です。
0.26という空気抵抗係数はその象徴であり、リアに配されたU字型テールランプと相まって、ひと目でi8だと分かる唯一無二の後ろ姿を生み出していました。
標準装着の20インチホイールは細めのタイヤ幅と組み合わされ、スポーツカーでありながら環境性能に配慮した独自のスタンスを体現していました。
車体には軽量なアルミニウムやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が多用され、車重は約1500kgに抑えられています。
スチールより約50%、アルミより約30%軽いCFRPは高い剛性も兼ね備えており、環境性能の向上と俊敏な走りの両方に貢献しました。
この軽さはプラグインハイブリッドのスポーツカーとして大きな強みとなり、後のEVスポーツにも影響を与えています。
インテリアは2+2のシートレイアウトを採用し、実用性を保ちながらスポーツカーとしての楽しさも追求していました。
低く構えたドラポジとBMW初採用のバタフライドアは、乗り込むたびに特別な体験を与えてくれます。
このドアの開く様子に魅了され、ショールームで思わず見入ってしまった人も多かったのではないでしょうか。
パワートレインには最高出力231PS・最大トルク320Nmを発揮する1.5リッター直列3気筒ターボエンジンと電気モーターが組み合わされ、2018年の改良でモーター出力は143PSまで強化されました。
その結果、システム合計で374PS、最大トルク570Nmを実現し、軽量ボディと相まって力強い加速を可能としています。
さらに前輪をモーター、後輪をエンジンが駆動する独自の4WD方式により、静粛なEV走行とスポーティなドライビングを両立。
最高120km/hのEV走行や最大35kmの航続距離も備え、実用性にも優れていました。
新車価格は2000万円前後と高額だったものの、2025年現在の中古市場では700万円台後半から1100万円前後へと落ち着き、多くの人が現実的な選択肢として検討するようになっています。
そして最後に多くのファンが願うのは、「再びBMWにi8のような遊び心あふれるモデルを作ってほしい」という想いです。
電動化が進み技術が成熟した今こそ、初代i8が持っていた大胆な発想や未来への挑戦が、改めて求められているのかもしれません。
i8は単なる自動車ではなく、新しい時代の扉を開いた象徴として、これからも語り継がれていく存在といえるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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