約700万円! 究極の「日産“新”スカイライン」がスゴい! 超パワフルな「6気筒ツインターボ&後輪駆動」×「極太タイヤ」の限定仕様! GT-R譲りの「精悍ブルー」もカッコいい「V37型」集大成のスポーツセダン「400R“リミテッド”」に注目
日産のスポーツセダン「スカイライン」に、400台限定の特別仕様「400R リミテッド」が登場しました。高性能版「400R」をベースに専用タイヤやホイール、サスペンションまで徹底強化して走りにこだわった、まさに現行スカイラインの到達点ともいえる一台です。
足まわり徹底強化の「スペシャルモデル」がスゴい!
日産のスポーツセダン「スカイライン」の最速グレード「400R」をさらに磨き上げた「400R リミテッド」が誕生しました。
十分すぎるハイパワーはそのままに、タイヤ・サスなどをさらに強化した、現行スカイラインの「集大成」と呼ぶべきモデルです。

2025年10月27日、日産はスカイラインの一部仕様を向上するとともに、特別限定車の400Rリミテッドを発表しました。
今回発表されたスカイライン 400R リミテッドは、現行スカイラインの最新2026年モデルにおける最上位かつ高性能なグレードの400Rをベースに、多数の専用パーツを装備した、いわば日産純正のフルカスタムカーです。
スポーツセダンとして定評のある400Rの走りを土台に、さらに気持ちよく、さらに楽しく走ることを目指し、乗り味やハンドリングを徹底的に再チューニング。
週末のロングドライブでは目的地を決めずに走り続けたくなる、そんな「究極のグランドツーリング(GTカー)」を狙ったモデルに仕上げられています。
エクステリアには、リミテッド専用となるカーボン柄のリアスポイラーとドアミラーカバー、リミテッド専用バッジを装着。ブレーキには4輪アルミレッドキャリパー対向ピストンと専用パッドが備わります。
インテリアには、リミテッド専用のカーボン製フィニッシャーと、シリアルナンバープレートを装着し、400台限定という希少性を乗り込んだ瞬間に感じられる仕様としています。
見た目の装備は、少し物足りないようにも感じますが、このモデルの真価は「走り」です。
パワートレインは従来の400Rと同じく、最高出力405ps、最大トルク475Nmを誇る3リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載。ただ400Rリミテッドではその強大なパワーをより確実に路面へ伝えるため、足まわりを中心に入念なチューニングが施されています。
まずタイヤは、「フェアレディZ NISMO」や「GT-R NISMO」にも採用されているダンロップ「SP SPORT MAXX GT 600」に変更。サイズはフロントこそ従来どおりの245/40R19ですが、リアは245/40RF19から20mmもワイド化した265/35R19サイズを採用し、リアタイヤの接地面積拡大することでトラクション性能を向上させています。
コンパウンドや内部構造も改良されており、剛性感としなやかさのバランスを高次元で両立することを狙っています。
この高性能タイヤに合わせるホイールも、400Rリミテッド専用品が選択されています。
従来型400Rは前後とも19インチ8.5Jを採用していましたが、400Rリミテッドでは、フロントは19×9J(+12.5mm)、リアは19×9.5J(+25.5mm)へ拡幅し、タイヤ・ホイールの横剛性を向上しました。
操舵初期のレスポンスが鋭くなり、ステアリング操作に対してノーズが機敏に反応するキビキビとしたハンドリングを実現しています。
これに合わせて前後サスペンションのチューニングも実施しています。フロントはバネ定数を4%アップ、リアスタビライザーは剛性を40%アップさせています。
これによって、コーナリング時の横Gに対するロール量を抑制して安定性を確保しつつ、荒れた路面で発生しがちなピッチングも抑制。タイヤがしっかり路面を捉える時間を増やし、タイヤパフォーマンスが最大限に発揮できるセットアップとなっています。
また400Rリミテッド専用の4輪対向ピストンブレーキに組み合わせるブレーキパッドも、従来比で約1.5倍の耐フェード性を確保する「Low Steelブレーキパッド」に変更。ダウンヒルが続くシチュエーションでも長く安定した制動力を確保します。
また、タイヤやサスのセッティング変更に合わせてVDC(ビークルダイナミクスコントロール:横滑り防止装置)の制御も最適化され、限界域でも高いコントロール性を確保しています。
外観上の違いは控えめながら、ワイドタイヤにより力強い印象となっている400R リミテッド。価格(消費税込み)は693万5000円です。
このスペシャルな仕上がりぶりは、現行スカイラインが放つ「最後の強烈な一撃」といえるかもしれません。
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ただスカイラインに関して気になることは、やはり「次期型」の存在でしょう。
デザインに関しては、2023年10月に発表されたバッテリーEVのコンセプトカー「インフィニティ ビジョンQe」が、次期型スカイラインの方向性を示すモデルとされています。
さらに2025年5月に発表された経営再建計画「Re:Nissan」においても、新型スカイラインを早期に導入すると明らかにしています。
すでに北米インフィニティの公式サイトでは、「Q50」(スカイラインの現地名)がラインアップから姿を消しており、日本のスカイラインについても、そう遠くない将来に現行モデルの生産終了が発表される可能性が高いとみられます。
はたして、現行スカイラインの完成形ともいえる「400Rリミテッド」を選ぶか、あるいは今後登場が噂される「ファイナルエディション」を待つか、はたまた次期型の登場を待つか。
スカイラインファンにとっては、悩ましい選択の時期が訪れています。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど







































