15年ぶり復活! レクサス新「LFA」世界初公開! ガソリンエンジン搭載…じゃない「2人乗り“和製スーパーカー”」!? 美しすぎるロングノーズもイイ「コンセプト」どんなモデル?
レクサスは2025年11月5日、BEVスポーツカー「LFAコンセプト」を世界初公開しました。約15年ぶりの車名復活となるLFAですが、どのようなモデルとなるのでしょうか。
15年ぶり復活のLFA
刺激的なV8ターボエンジンを選ぶか、それとも先進感あふれるモーター駆動を選ぶか。そこが悩ましい問題だ――2025年12月5日に初公開されたGR(トヨタのスポーツブランド)のフラッグシップスポーツカー「GR GT」と、同時公開されたレクサスのスポーツカーのコンセプトモデル「Lexus LFA Concept」の話です。
前者は速さを徹底追及して排気量4.0リッターのV8ツインターボエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドでシステム出力“650馬力以上”を発生。
ハイブリッドとは言ってもその目的は燃費(それも多少は良くなるでしょうけれど)のためではなくパフォーマンスのため。高回転型エンジンゆえの低回転トルクの薄さをモーターで補おうというわけ。速いだけでなく、とにかく五感を揺さぶる刺激的な“マシン”となるのは間違いないでしょう。

いっぽう同じシャシーを使って仕立てられるLexus LFA Conceptはエンジンの搭載はなく、BEV(バッテリー式電気自動車)だと明言されています。こちらは「コンセプト」に留まるだけあって最高出力などのスペックは一切明らかになっていませんが「エンジン車より遅い」なんてことは考えにくく、世界のBEVスーパーカーと肩を並べる性能を誇る存在となるのは間違いないでしょう。
スポーツカーらしいドライビングポジションを考えると乗員の床下へバッテリーを置くことは考えにくいけれど、はたしてパッケージングはどうなるのか(バッテリー搭載位置は公式には明らかにされていない)。
それにしても悩ましい。これまでの自動車的価値観でいえば、高性能エンジンの音や振動は運転を楽しむうえで最高にエモーショナルなものであり、乗り味を楽しむならやはりBEVよりも内燃機関。
だから「エンジン搭載のGR GTとエンジンではなくモーターを駆動力とするレクサスLFAのどちらかを選べ」と言われれば、迷うことなくGR GTを選ぶことでしょう。これまでの筆者(工藤貴宏)なら。
しかし、情報が明らかになるにつれてわかったのは新生代のLFAは「走りがもたらす感動」を徹底的に追究しているということ。
レクサスによると「走りから得られる感動は、時代が変わってもスポーツカーの魅力を支え続ける揺るぎない価値です。Lexus LFA Conceptは、その感動をより深く、より純粋に味わえる存在として、ドライバーを走りの世界へと引き込み、これまでにない没入体験を創出します」とのことですから。
そこまで言うということは、次世代LFAは単純にBEVの超高性能車が得意とする「加速の速さと刺激」に留まることなく、運転好きのドライバーを満足されるエモーショナル性を高いレベルで織り込んでいると考えるのが自然。筆者はそれが非常に楽しみです。
繰り返しとなりますが、ここへきてBEVのスポーツモデルが姿を現したことで明確になってきたのが、運転を楽しむためには副次的要素も必要だということ。具体的にいえばそれはエンジンに起因する音や振動であり、それらが高揚感を高めるということです。
ハイパフォーマンスBEVの出現により、そこにドライバーもメーカーも強く気付いた(これまではそれらは空気のような存在だと思われていたので強く意識することはなかったが、それらがないBEVが登場したことで重要さに気付かせてくれた)というわけ。それはもちろんレクサスも強く認識しているに違いありません。
もちろんトヨタやレクサスはそれらの研究もしっかりおこなっていることは言うまでもなく、BEV化が明言された次世代のLFAではそれが世間を驚かせる形で搭載されると考えていいでしょう。それこそまさに筆者が次世代のBEVスポーツモデルに期待することでもあります。
そのためのギミックのひとつとして、次世代LFAには疑似的なギヤが搭載されて段付きトランスミッションのような感覚が楽しめる模様。事情に詳しい人であればそれと同じ考えのロジックがすでにヒョンデの超高性能BEVである「アイオニック5 N」に搭載されていて、それがとても楽しいことをご存じとは思いますが、レクサスがどう味付けてくるのは非常に楽しみで仕方がありません。
というわけで、もしも筆者が宝くじに当たり数千万円級のGR GTもしくはレクサスLFAをお迎えできる状況となったらどちらを選ぶか。どちらのクルマもまだまだ未知の部分が多いし、なによりどんな運転感覚なのも不明。
正確に言うと、ガソリンエンジン+1モーターのハイブリッドであるGR GTの方向性は予想ができますが、レクサスLFAに関してはどんなドライビング体験をさせてくれるのか想像もできません。
というわけで、「どちらを選ぶか?」という悩ましい選択の結論はもう少し先延ばしにしましょうかね。発売する「2027年」くらいまでは。えっ、「両方買う」という答えはナシですか。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。




































































































