トヨタは2025年11月25日、商用バン「プロボックス」の一部改良を発表し、同日に発売しました。

　今回の改良では、先進安全装備の充実により、商用車としての基本性能をさらに高めています。

　では、そのプロボックスの中で最も高価な最上級グレードとは、どのようなモデルなのでしょうか。

　プロボックスは2002年に初登場した商用ライトバンで、広い荷室と優れた経済性を備え、約23年間にわたり活躍してきました。

　2014年にはプラットフォームの改良やデザイン変更を含む大規模なマイナーチェンジを実施しています。

　そして2025年11月25日の一部改良では、まず予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」の機能を向上。

　衝突回避支援機能「プリクラッシュセーフティ」は自動二輪車（昼間）を新たに検知対象に加え、検知範囲を拡大しました。

　また、2024年4月の改良モデルに対して複数の安全機能が追加された点も特徴です。運転状況に潜むリスクを先読みし、歩行者や自転車に近づきすぎないようステアリングやブレーキ操作を支援する「プロアクティブドライビングアシスト」を導入。

　さらに、ペダル踏み間違いによる衝突を緩和する「パーキングサポートブレーキ（前後方静止物）」や「レーダークルーズコントロール」も全車標準装備となりました。

　運転席まわりでは、メーターデザインを刷新し、全車に4.2インチディスプレイを採用。操作スイッチを備えた新デザインのステアリングホイールも採用されています。

　こうした改良を受けたプロボックスの中で、最も高価なグレードは「F（ハイブリッド車・2WD）」です。

　ボディサイズは全長4245mm×全幅1690mm×全高1525mm、ホイールベース2550mmで、扱いやすい寸法となっています。

　エクステリアはスクエアなボディスタイルを採用し、ドアハンドル、バンパー、ドアミラー、バックドアガーニッシュをボディ同色。スチールホイールにはフルキャップを装着するなど乗用車に近い外観が特徴です。

　ボディカラーは全グレード共通で、ホワイト・ブラック・シルバー・ダークブルーの4色を設定。

　シート素材には上級ファブリックを採用し、内装色はブラックで統一。インテリアは仕事で毎日使うことを想定した機能重視の設計で、本革巻きステアリングや本革巻きシフトノブは設定されていません。

　一方で、エアコンまわりにはメッキ加飾やピアノブラック加飾を施し、ゲート式シフトレバーのベゼル部分はシルバー塗装とするなど、下位モデルとの差別化も図られています。

　スマホを収納できるマルチホルダーやノートPCを置けるインパネテーブルなど、豊富な収納スペースも魅力。メーターはアナログメーターと4.2インチTFTカラーディスプレイを標準装備しています。

　空調はオートエアコンを採用し、パワーウインドウもフロント・リアともに標準装備。バックモニター内蔵の自動防眩インナーミラーは全車オプション設定です。

　荷室は、5人乗車時で長さ1040mm、リアシートを倒した2人乗車時では1810mmを確保しています。

　安全面では最新世代のトヨタセーフティセンスを全車標準装備し、レーダークルーズコントロールやプロアクティブドライビングアシスト、パーキングサポートブレーキも含まれます。

　パワートレインは1.5リッターハイブリッドを採用し、燃費性能はWLTCモードで24.2km／Lを記録。ガソリン車と比べて約4割の低燃費を実現しています。

　価格（消費税込み）は226万1600円。最安モデルの「G（ガソリン車・2WD、191万8400円）」との差額は34万3200円です。