ホンダ新型「プレリュード味のカレー」登場! “6つの走行モード”を「6つの味変」で表現する衝撃の一皿! 「走りの気持ちよさ」を伝えるカレー屋「プレリュー堂」の狙いと“気になる味”とは?
「プレリュード」とはどんなクルマなのか
プレリュー堂の中心に据えられる新型プレリュードは、単に復活した名車という枠に収まりません。
電動化時代における新たなスペシャリティスポーツの象徴として開発され、ホンダの“操る喜び”を最も先鋭的な形で体現するモデルに仕上げられています。
ここで改めて、新型プレリュード開発の狙いについて振り返ってみましょう。

前述の通り、新型プレリュードはグライダーから着想を得たコンセプトに掲げています。
滑空するように伸びやかで、かつ高揚感に満ちた加速フィールを、ホンダ独自の電動パワートレインシステム「e:HEV」のモーター走行とエンジン制御の最適化によって実現しています。
そして、このクルマの核心に位置するのが、ホンダの宮本氏も強調していた新制御技術「Honda S+ Shift」です。
ホンダ車初採用のS+ Shiftは複数の走行モードを設定し、モーター駆動でありながら、仮想の8段変速を実現し、エンジン回転数を緻密に制御することで、まるで有段ATのような“意のままの加速”を与えてくれます。
アクセルを踏んだ瞬間の反応の鋭さ、エンジン回転数の上昇に合わせて変化するアクティブサウンドコントロールの迫力ある音作り…こうした要素が、ドライバーの五感を刺激し、スポーツドライビングの楽しさを現代的に再構築しています。
パワートレイン開発担当の齋藤氏はこの技術について、「乗った瞬間に“なるほど”とわかるキレと、長く乗っているほど深まる味わい。その両方を大事にしました」と語り、短時間の試乗でも、長い所有期間でも満足できる奥深い走りを追求したことを明かします。
「走行モードのうち、GTはバランスの良い基本形、SPORTは鋭いレスポンス、COMFORTは包み込むような上質さ。そこにS+ Shiftを掛け合わせると、GTの爽快感を強調したり、SPORTのアグレッシブさを際立たせたり、COMFORTの包容力を深めたりと、6つの“走りの味”が生まれます」と説明します。この“6つの味”が、今回のカレー企画の発想源となりました。
ホンダでは、若者のクルマ離れが指摘される現状を踏まえ、20代を対象とした独自調査を実施した結果、クルマに興味・関心を持つ層は約32%にとどまっており、クルマに対する意識は必ずしも高くない状況が明らかになりました。
一方で、免許を保有する若年層の46.5%は「気持ちよさを感じたくてドライブをすることがある」と回答しており、走りの心地よさ自体には一定のニーズが存在しています。
にもかかわらず、その“走りの気持ちよさ”を十分に体験できていない若者が多いことも調査から読み取れるとし、こうした背景から、ホンダでは走りの魅力をより直感的に伝える手段として、味覚や嗅覚を通じて体験できる“味としての走り”というアプローチに着目しました。
クルマに触れた経験が少ない若い世代にも、プレリュードの持つ多彩な走りの魅力をより分かりやすく伝えられるのではないか、という考えが今回の企画の根底にあります。

実際、プレリュー堂で提供されるカレーは、ベースとなるGTモードの味をトマトの酸味とクミン(エスニックな風味のスパイス)やコリアンダー(香菜:パクチーとも呼ばれる)の爽やかな香りで表現し、そこに5つの特製スパイスを加えることでスポーツ性や快適性を味として“切り替える”ことができます。
この構造は、まさにプレリュードが持つ走行モードの切り替えと同じであり、「味変を楽しむ」という若者に馴染み深い行為を通して走りの多様性を伝える仕掛けになっています。
一条氏はカレーとの共通点について、「プレリュードの爽快感は酸味とリンクしている」と述べています。
「車体はどっしりしているのに、走りは軽やかで伸びやか。そのギャップをカレーに置き換えるなら、やはり豚肉の塊と、トマト・赤ワイン・お酢という3種類の酸味のレイヤーだと思いました。酸味はカレーの中でも非常に大事な要素で、加減で美味しさがガラッと変わります」と語り、クルマの乗り味を構成する複層的な要素を味で再現する難しさを明かします。
さらに、プレリュードの“高揚感”を象徴するものとして選んだのがブラックマスタードシード(粒マスタードにも用いられる辛みの強い黒い種子)。
「口の中でパチパチ弾ける感じが、走りのリズムに重なると感じた」と語る一条氏の言葉からは、この企画が単なるタイアップではなく、走行体験を咀嚼して再構築した本格的な制作であることが伝わってきます。
































































