夏タイヤで雪道は「おバカ行為」!? タイヤ協会警告の「制動距離1.6倍」が招く絶望的結末とは

「雪はめったに降らない」という油断が大事故を招きます。日本自動車タイヤ協会(JATMA)は、夏用タイヤでの雪道走行で制動距離が約1.6倍に延びると警告しています。法令違反のリスクや冬用タイヤの寿命判断など、非降雪地域のドライバーこそ知っておくべき冬道の危険な真実を解説します。

タイヤ協会が警告する「想定外」の使用リスク

「都市部だから雪は関係ない」という考えは、時に重大な事故を引き起こす原因となります。

 一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)は、ノーマルタイヤでの雪道走行に対し、強く警鐘を鳴らしています。

 同協会が公表した試験データが示す「止まれない」現実と、冬用タイヤの使用限度に関する厳格な基準について、非降雪地域のドライバーこそ知っておくべき重要事項を解説します。

自分の使用環境に応じて、スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)かオールシーズンタイヤを選ぶことが大事(画像はイメージ/フォトAC)
自分の使用環境に応じて、スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)かオールシーズンタイヤを選ぶことが大事(画像はイメージ/フォトAC)

 冬のドライブにおいて、非降雪地域のドライバーが最も陥りやすい誤解は、「多少の雪ならノーマルタイヤでも慎重に走れば大丈夫だろう」という過信です。

 しかし、国内のタイヤメーカーが加盟する日本自動車タイヤ協会(JATMA)は、ノーマルタイヤ(夏用タイヤ)について「積雪路や凍結路の走行を想定したタイヤではない」と明確に定義しています。

 夏用のタイヤは、気温が低下するとゴムが硬化する性質を持っており、雪や氷の上では本来のグリップ力を発揮できません。

 JATMAは、積雪や凍結が見られる道路では、必ず冬用タイヤを装着するよう呼びかけています。

 これは単なる推奨ではなく、タイヤの構造や素材の特性を踏まえた上での技術的な警告であり、ノーマルタイヤで雪道を走る行為自体が、安全設計の前提を無視した危険な運転であることを意味しているのです。

 JATMAが提示する具体的な試験データを見ると、その危険性はより鮮明になります。

 スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの性能を比較した制動距離試験において、時速40kmで積雪路面を走行した場合、スタッドレスタイヤの制動距離を「100」とした指数で比較すると、ノーマルタイヤは「160」という数値を記録しました。

 これは、適切なタイヤを履いている時と比べて、停止までの距離が約1.6倍も延びてしまうことを示しています。

 さらに深刻なのが凍結路面でのデータです。

 時速25kmという低速走行であっても、スタッドレスタイヤの指数「100」に対し、ノーマルタイヤは「156」となり、氷の上でも同様に止まれないことが実証されています。

 交差点や横断歩道の手前でブレーキを踏んでも、車はそのまま滑り続け、想定よりもはるか先まで進んでしまうのです。

 この「1.6倍」という数字は、事故を回避できるか、衝突してしまうかの決定的な差となります。

【画像】冬に夏タイヤも危険! これが「雪道で立ち往生する」クルマです!(30枚以上)

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