トヨタ「次期スープラ」!? 超パワフルな「V型8気筒エンジン」搭載する「“タテ目”スポーツカー」がスゴイ! 斬新「ロングノーズ」と“横一文字”テールライト採用!「走る歓び」追求した「FXS」とは!
かつてトヨタが「走る歓び」を極限まで追求した「FXS」とは、一体どのようなスポーツカーだったのでしょうか。
トヨタ「次期スープラ」!? 超パワフルな「V8エンジン」搭載!
2025年10月末に華々しく開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」では、各メーカーが未来への大胆なビジョンを提示しましたが、自動車文化を読み解くには、過去のモーターショーで発表された先見的なコンセプトカーの存在も見過ごせません。
本記事で焦点を当てるのは、トヨタが2001年の「第35回 東京モーターショー」で世界初公開したオープンスポーツカー「FXS(エフ・エックス・エス)」です。

このモデルは、電動化が加速する現代において貴重な“大排気量V8エンジン”が持つ「走る歓び」を追求した、ロマン溢れる提案でした。
2001年の東京モーターショーでトヨタは、「夢のある新しいモビリティライフ」をテーマに掲げ、エコロジー、スポーツ、ニューコンセプト、モータースポーツという4つの柱で展示を構成。
そしてFXSは、このうちのスポーツ領域を象徴するモデルとして、クルマの本質的魅力である「走る楽しさ」を追求した、純粋な2シーターオープンスポーツカーとして誕生しました。
そのパッケージングは、まさに当時のスポーツカーの理想を体現したもの。
ボディサイズは全長4150mm×全幅1870mm×全高1110mmと、ロー&ワイドなスタンスを強調したスタイルです。
駆動方式は後輪駆動(FR)を採用し、ホイールベースは2500mmとショートデッキな設計。
エクステリアは、シンプルながら存在感のあるフォルムで、横に広くて背の低いボディに光と影のコントラストを強調したデザインを施すことで、その走りの楽しさを視覚的にも表現していました。
そんなFXSが最もエンスージアストの注目を集めたのは、そのパワートレインです。
心臓部には、当時としても豪華な4.3リッターV8エンジンを搭載。
高出力を発揮するこのユニットに6速シーケンシャルMTを組み合わせ、ドライバーがエンジンパワーを意のままに操ることに特化した設計思想を示しています。
これは、静かで効率的なEVが主流となりつつある現代から見ると、極めて貴重な「大排気量自然吸気の官能性」を追求したロマンティックな提案でした。
またインテリアも、その硬派なコンセプトを反映しています。
深いブルーを基調とした空間に、クロームメッキ加工が施されたパーツが効果的に配置され、青白く発光するメーター類が未来的な雰囲気を醸し出していました。
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このように、スポーツカー好きの夢を具現化したFXS。
その後も市販化されることはありませんでしたが、発表当時から「次期型スープラのスタディモデルではないか」という憶測が飛び交っていました。
実際、そのFRレイアウトや大排気量エンジン、そして流麗なロングノーズのスポーツフォルムが、2019年に発売された現行「GRスープラ」の開発プロセスにおいて、何らかのインスピレーションや技術的知見を提供した可能性は否定できません。
FXSは単なるコンセプトカーの枠を超え、トヨタが未来のスポーツカーに求められるべき「本質的な楽しさ」を内燃機関の極致という形で提示した、自動車史において重要な役割を担うモデルであったと言えるでしょう。
Writer: パワーボム
関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。




















