400万円台から!? トヨタ新型「5.1m超えセダン」発表! ハンマーヘッド顔採用で“クラウンセダン”より大きい「bZ7」 中国広州ショーで公開

トヨタは2025年11月21日に開幕した広州モーターショー2025にて、中国向けBEV「bZ7」の詳細を発表しました。

エクステリアは現行型の「MIRAI」や「クラウンセダン」のようなクーペ風セダンのスタイリングを採用した「bZ7」

 2025年11月21日に開幕した広州モーターショー2025にて、トヨタは中国向けBEV「bZ7」の詳細を発表しました。

 いったいどのようなクルマなのでしょうか。

新たトヨタのラグジュアリーセダン「bZ7」公開(撮影:加藤博人)
新たトヨタのラグジュアリーセダン「bZ7」公開(撮影:加藤博人)

 トヨタの純電動サブブランド「bZシリーズ」からは現在、グローバルSUV「bZ4X」と中国専売車種「bZ3」「bZ3X」「bZ5(bZ3Cより改名)」の計4モデルが展開されています。

 そのうち、bZ3とbZ5は中国の自動車メーカー「BYD」との合弁会社「BYD TOYOTA EV TECHNOLOGY(BTET)」が中心となって進められた共同開発モデルで、バッテリーやプラットフォームといった部分でBYDの技術を取り入れています。

 実際の製造と販売はbZ3とbZ5を第一汽車との合弁会社「一汽トヨタ」が、bZ3Xを広州汽車との「広汽トヨタ」が担当しています。

 そんな中、トヨタは2025年11月21日より開幕した上海モーターショー2025にて、新たなBEV「bZ7」を発表しました。

 bZ7は広州モーターショー2023にて発表した「bZ FlexCabin Concept」の市販モデルで、製造と販売はbZ3Xと同じ広汽トヨタが担当します。

 ボディサイズは全長5130 mm x 全幅1965 mm x 全高1506 mm、ホイールベースは3020 mmとなり、トヨタ「クラウンセダン」よりも大きく、運転席に座るドライバーズカーとしても、後席にゆったりと座るショーファーカーとしても、そのどちらでも快適であることを念頭に置いています。

 エクステリアは現行型の「MIRAI」や「クラウンセダン」のようなクーペ風セダンのスタイリングを採用、リアスポイラーがスポーティな雰囲気を演出。

 フロントマスクをハンマーヘッド形状にすることで、BEVながらも厚みを抑えたスタイリッシュな印象を感じさせます。

 インテリアでは中央の大型ディスプレイといった中国での流行を反映させつつも、安全性や実用性も重視して適度なバランスで物理ボタンが残されています。

 快適性においては前後すべての座席にシートヒーター/ベンチレーション/マッサージ機能を搭載しており、広々とした空間に適した快適な乗車体験をもたらします。

 また、リアシートは10度までの角度で調整できるリクライニング機能も有します。

 リアの格納式センターコンソールには収納ボックスや2つのカップホルダーに加え、携帯電話の充電が可能な無線充電パッドを装備しています。

 オーディオシステムではここ数年で中国の高級ブランドでの採用が進むヤマハ製のものを採用しています。

リアの格納式センターコンソールには収納ボックスや2つのカップホルダーに加え、携帯電話の充電が可能な無線充電パッドを装備(撮影:加藤博人)
リアの格納式センターコンソールには収納ボックスや2つのカップホルダーに加え、携帯電話の充電が可能な無線充電パッドを装備(撮影:加藤博人)

 運転支援機能においてはbZ3Xと同様に中国の自動運転ベンチャー「Momenta」と共同開発した最新システム「R6」を搭載、フロントガラス上部のLiDARユニットと合わせてレベル2+相当の高度な運転支援機能を実現。

 他にも、相次ぐEV発火による死亡事故を受けて制定された中国政府のバッテリー新基準(2026年7月より施行)や、事故発生時の緊急脱出を容易にするドアハンドル形状の新基準にも適合することをアピールしており、安全性を何よりも優先させるトヨタの姿勢を改めて明確にしました。

 現時点で判明している駆動方式は出力207 kW(277 hp)の二輪駆動ですが、特筆すべき点は中国のIT大手「ファーウェイ」が設計・製造する駆動用モーターユニット「DriveONE」を採用することです。

 ファーウェイはここ4、5年で自動車業界への進出を強めており、自社ブランドのEVを発売するだけでなく、他メーカーへ駆動用モーターの供給や、車載システムの開発なども行なっています。

 インフォテインメントシステムにはファーウェイが開発した「HarmonyOS」を採用、さらには同じく中国のIT企業「シャオミ」製品とのシームレスな連携を実現するソフトウェアも搭載していると言います。

 シャシでは高級かつスポーティな乗り味を目指し、レクサス部門やGR部門と共同したとのこと。また、前後サスペンションにはエアサスペンションと電子制御ダンパーを採用しています。

 ボディカラーは「ダークグレイ・メタリック」やレッド系の「メタル・オキサイド・プレミアム・メタリック」など全7色で展開、そして内装はベージュ、ホワイト、パープルの全3色を用意。

 シートにはナッパレザーを採用しているほか、ホワイトアッシュを用いた木目パネルで上質な雰囲気を演出しています。

2025年11月21日に開幕した広州モーターショー2025にて、トヨタは中国向けBEV「bZ7」の詳細を発表(撮影:加藤博人)
2025年11月21日に開幕した広州モーターショー2025にて、トヨタは中国向けBEV「bZ7」の詳細を発表(撮影:加藤博人)

 具体的な価格は発表されませんでしたが、発表イベントでは繰り返し「20万元(約440万円)」級であることが強調されました。

 内外装の質感や機能、装備などを考慮すると440万円でもかなり攻めていると言えるものの、いくつかの中国メディアでは、ベースグレードはさらに安い「15万元(約330万円)」から販売されるとも予想しています。

 参考までに同じ純電動セダンのテスラ モデル3のメーカー希望小売価格は23.55万元(約518.2万円)、人気急上昇中のシャオミ SU7では21.59万元(約475万円)からとなります。

 BEV市場での遅れを取り戻すためにはこういったライバルに対抗する必要があり、その点を考えると「15〜20万元(約330〜440万円)」という予想もあながち無理な話ではないかもしれません。

 発売は年明けになると予想され、年内に予約したユーザー限定の購入補助施策も展開するとしています。

 bZ7を製造・販売する広汽トヨタは2025年の累計販売台数が77万台になるとし、2026年には生産販売台数を80万台へ拡大、そして2028年には100万台を目指していくとの目標を打ち立てました。

 さらに、中国市場モデルの開発には中国人エンジニアを起用する「リージョナル・チーフ・エンジニア(RCE)」制度をさらに推進させていくほか、SUV「ハイランダー」やミニバン「シエナ」の次期モデルではトヨタ初となる「レジエクステンダー付きEV(EREV)」を設定するなど、徹底して中国の消費者と需要に応えていく姿勢です。

【画像】全長5m超え! トヨタ新型「ラグジュアリーセダン」を画像で見る(30枚以上)

【買取査定】トヨタ車が高く売れる!?(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

【見逃し限定配信中】「自動車DXサミット vol.4」 BYDの最新事例を紹介 Amazonギフト券プレゼント〈PR〉

【中古車】がお得!? 新車不足で人気沸騰

【新車】簡単見積り! 自動車カタログを見る(外部リンク)

【保険】2025年満足度ランキング公開!

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー