限定500台/500万円でも8時間で完売! スバル「WRX STI RA-R」の魅力とは
軽量化のため走行性能に関係のない部品をレス仕様に
一方、今回の「TYPE RA-R」のテーマのひとつが軽量化。重量低減は「加速」「減速」そして「旋回」とすべての運動性能を高めます。そこで歴代の「RA」モデルがそうだったように、走行性能に関係のない部品のいくつかが、あえて装着されずに「レス仕様」となっているのです。
その部品は後席センターアームレストやフロントフードインシュレーター(ボンネット内の吸音材)、などの快適部品にはじまり、スペアタイヤ、スペアタイヤパン内メルシート(制震材)、ヘッドランプウォッシャー、リアワイパー&ウォッシャー、リアフォグランプ、フロア下アンダーカバー、フロントドア開口部のステンレス製サイドシルプレートと多岐にわたり、ウインドウウォッシャータンクの容量削減(4L→2.5L)、BBS製アルミホイールの採用、ファブリック&トリコットシートの採用、ジュラコン素材シフトノブの採用などの軽量化策によりエアコンなどは装着したままノーマルよりも10kgのダイエットを敢行。パワーウェイトレシオは4.498kg/psを実現しました。
アンダーカバー廃止に伴うチッピング(飛び跳ねた石などによる塗装の欠け)を防ぐためにベース車では施工しない部分にアンダーコートを吹くなど、ボディ自体も標準者とは異なる仕立てとなっています。
ハード面において、前回のコンプリートカーである「S208」と大きく異なるのが足まわり。S208はスポーツ性能だけでなくコンフォート性も視野に入れてビルシュタイン製のサスペンションをチョイスし、タイヤは19インチのダンロップSPORT MAXX RTを履いていました。
対して「TYPE RA-R」はカヤバ製のショックアブソーバーに18インチのミシュランパイロットスポーツ4Sを装着。「走行性能を高めつつ、乗り心地についてはS208ほど考慮していない設定。18インチなのはあえての選択で軽さとグリップを両立しています」と開発を担当したSTIの毛利豊彦さんは言います。
また興味深いのがドアミラー。ドライカーボン製のドアミラーカバーは2つのフィンが付いていて、これがダウンフォースを生むことでフロントリフトを約4%低減する設計です。通常こういったパーツは標準装着のミラーの上にかぶせるように装着されますが、グラム単位の軽量化を施すというこのモデルのキャラクターから、今回は標準のドアミラーカバーを取り外し差し替えて装着する設計なのもポイントといえます。
さて、走りはどうでしょう?