首都高の「謎のイカ耳」なぜある!? ずっと「造りかけ」のまま放置? あちこちに点在する「謎空間」の正体とは
首都高を走っていると「途中で切れている」不自然な道のような形状に出くわすことがあります。高架橋を下から見るとまるで「イカの耳」のようですが、この謎の切れ目はいったい何なのでしょうか。
幻の「新線計画」を今に伝える「遺構」!?
検索エンジンで「イカの耳 レシピ」と検索すると、イカのエンペラ(三角のひれ部分)を使った「バター醤油炒め」や「マヨ炒め」、「セロリ葉のアヒージョ」といったお酒のつまみに合いそうなメニューが色々と出てきます。
一方、イカの耳とはまったく無関係に思われる「首都高」と組み合わせてみると、クルマ好きや道路マニアならピンとくる事象を思い浮かべるかもしれません。
![5号池袋線の飯田橋付近にあるイカの耳[国土地理院「地理院地図」に編集部が一部加工]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2024/08/20230803_ika_001.jpg)
ここでいう「イカの耳」とは、首都高に存在する「途中で切れている道」のことで、作りかけのジョイント部分(分岐部分)を指しています。
上空から見ると、開通している本線がイカでいう“胴体”で、そこから左右に枝分かれしている部分が“イカの耳”にあたります。
では、どうしてこのような中途半端な状態で止まっているのでしょうか。また、今後の延伸はありえるのでしょうか。改めて見ていきましょう。
大きなカギとなるのは、1960年代に計画されたものの、幻のままになっている「内環状線」です。ちなみに内環状線は、「ないかんじょうせん」と読みます。
内環状線は、現在の「都心環状線(C1)」と「中央環状線(C2)」の間を走る予定だったのですが、公害や眺望の問題などから地元の理解を得られずに頓挫。その計画の名残りが、イカの耳の正体なのです。
もっとも有名で、もっとも見応えのある「イカの耳スポット」は、5号・池袋線の「飯田橋出口」先のカーブ付近になるでしょう。
その下を走る「外堀通り」から見上げると、スパっと切られたジャンプ台のような道路を確認できます。もちろん、グーグルマップなどでも、途中で切れていることが明確に表現されています。
余談ですが、最近Netflixオリジナル作品としてリメイクされ、再注目を集めている映画「新幹線大爆破」(1975年のオリジナル版)では、このイカの耳スポットが身代金の受け渡し場所として登場し、犯人役の高倉健さんが降り立っていました。
そのほか、1号・上野線の「岩本町」や5号・池袋線の「早稲田」、7号・小松川線の「両国」あたりにもイカの耳が存在しています。















