ホンダの「小さい“MR”スポーツカー」がスゴイ! 高回転「V4エンジン」×全長3m&超軽量ボディ採用! 本格スポーツモデル「Project 2&4」とは

ホンダが二輪と四輪の技術を融合させて生み出したコンセプトが、超軽量ボディに高回転型V4を積んだ「Project 2&4 powered by RC213V」です。世界を驚かせたこの“公道不可”の一台は、なぜショールームに並ばなかったのでしょうか。

2輪と4輪の技術を“融合”!

 10月30日(一般公開日)からジャパンモビリティショー2025が開催され、各メーカーのコンセプトカーに注目が集まりました。

 過去を振り返ると、人々の度肝を抜き、その後の開発思想に影響を与えたコンセプトは少なくありません。

 その中でも強烈な存在感を放ったのが、ホンダ「Project 2&4 powered by RC213V」です。まるでF1マシンの座席だけをむき出しにしたようなシルエットで、公開当時、多くのファンを熱狂させました。

ホンダの「小さい“MR”スポーツカー」!
ホンダの「小さい“MR”スポーツカー」!

 2015年9月、フランクフルトモーターショーで世界初公開。量産車や一般的なコンセプトとは一線を画す“異形”は、会場の空気を一変させました。翌10月の第44回東京モーターショーでも日本初公開となり、大きな話題を呼んだのです。

 プロジェクト2&4は単なるデザインスタディではありません。ホンダのスローガン「The Power of Dreams」と、二輪・四輪の双方で鍛え上げたエンジン開発力を融合し、「モーターサイクルの自由」と「四輪の安定・機動性」を両立させる挑戦として企画されました。

 社内コンペで選ばれた案を起点に、妥協を排した“技術的マニフェスト(宣言)”としてまとめ上げられたのが、この一台です。

 外観は、フレームやサスペンションがあらわになった極めてラディカルな実質1人乗り構成。デザインモチーフの源流には、ホンダの名車「RA272」などモータースポーツのヘリテージが見て取れます。

 ボディサイズは全長3040mm×全幅1820mm×全高995mmとコンパクトで、低いプロポーションを強調。徹底した軽量化により、車重は約405kgとされています。

 インテリアでは、ドライバーズシートを車体外側に“浮かせる”ように配置したサテライトフローティングシートが特徴です。むき出しのシャシーを間近に感じ、風や振動を直接的に受け止めながら操る体験は、「運転の自由」を極限まで可視化する狙いが込められていました。

 核となるパワートレインは、ロードレース世界選手権の最高峰マシン「RC213V」に由来する999ccの水冷V型4気筒。出力は約215馬力相当とされ、約405kgという質量と相まって、きわめて高いパワーウエイトレシオを示します。
 トランスミッションは6速DCT。高回転型ユニット特有の扱いづらさを抑えつつ、変速のダイレクト感を引き出すセッティングが与えられました。レイアウトはミドシップで、重量物の集中配置により機動性を高める思想です。

 では、なぜ市販化されなかったのでしょうか。最大の壁は、法規・保安基準のクリアが極めて困難な点にあったと考えられます。

 また、むき出しの構造や車体外側寄りの着座配置は、衝突安全・乗員保護の観点で量産車に求められる要件との整合が難しい設計となります。

 加えて、高回転・高出力のユニットを量産レベルで耐久性やコストまで含めて成立させるには、大幅な再設計が必要になります。

 もう一つの本質は、そもそもプロジェクト2&4が“量産前提のビジネスモデル”ではなく、ホンダの技術思想を世界に示すショーケースだったという点です。

 市販化に向けた妥協を積み重ねるより、二輪と四輪の英知を凝縮した“理想の走り”を提示することに主眼が置かれていました。言い換えれば、技術的課題が理由というだけでなく、コンセプトを純度高く提示するという選択だったのです。

 この挑戦は、決して幻で終わったわけではありませんでした。

 部門横断で磨かれた軽量・高効率・高応答の思想は、その後のパワートレインや車体設計、動的質感づくりに通底する“作法”として内部に蓄積されました。

 軽量オープンスポーツの文脈では、アリエル「アトム」のようにホンダ製エンジンを長年採用してきた例もあり、同社のパフォーマンス哲学が広く実装面でも評価されてきたことがうかがえます。

 電動化と自動運転が進む現在においても、Project 2&4が示した「二輪と四輪の垣根を越える発想」と「人が操る歓びの極大化」というメッセージは色あせません。

 もし量産されていたなら、ライトウェイトスポーツの地図は違って見えたかもしれません。けれども、あの“むき出しの運転席”が描いた自由の輪郭は、今も私たちの記憶に鮮明に残り続けているのです。

【画像】カッコイイ! これがホンダ「小さい“MR”スポーツカー」です!(14枚)

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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