“冬タイヤの交換”いつする? 「初雪の1か月前」がオススメ! 一体なぜ? 早めにタイヤを交換しておくメリットとは

北海道や東北地方などではすでに初雪を観測しています。雪が降っていない地域ではまだクルマのタイヤを交換していない人も多いと思われますが、どのようなタイミングで冬タイヤに交換すれば良いのでしょうか。

意外と知らない? タイヤには「慣らし走行」が必要!

 11月に入り、次第に冬らしい天候になってきました。北海道や東北地方などでは、すでに初雪を観測したり、積雪したりしている地域もあります。

 気象庁が公表している寒候期予報(今年12月~来年2月)によると、降雪量は北日本と東日本の日本海側で「ほぼ平年並」の見込みであるほか、西日本の日本海側では「平年並か多い」見込みとなっています。

 現在は雪が降っていない地域でも今後積雪となる可能性があることから、まだクルマのタイヤを冬タイヤに交換していない場合は、早めの交換を検討すべきといえます。

 では、いつ冬タイヤに交換すれば良いのでしょうか。

冬タイヤへの交換は早めがメリット大!(画像はイメージ、yamahide/PIXTA)
冬タイヤへの交換は早めがメリット大!(画像はイメージ、yamahide/PIXTA)

 一般的には、気象庁が公表する「霜・雪・結氷の初終日」の情報を参考に、初雪の約1か月前にタイヤ交換をおこなうことが推奨されています。

この初終日は過去30年の気象データから、各地で雪が初めて降る時期や雪の降り終わりの時期、霜が初めて降りる時期などの平均値を割り出したものです。

 たとえば東京都の場合、雪の初日は2026年1月3日、終日は3月9日となっているため、1月上旬頃から雪が降り始め、3月上旬頃に降り終わることが予想されます。もちろん、必ずしもこの平均値どおりに雪が降るわけではありませんが、東京においては2025年12月上旬頃までに冬タイヤへの交換をおこなうのがベストといえるでしょう。

 これを聞くと、「タイヤ交換は初雪の直前でも良いのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、タイヤ交換を早めにしておくことで様々なメリットが得られます。

 まず、冬タイヤの「慣らし走行」ができるという点が挙げられます。意外と知られていませんが、新品のタイヤに交換した場合は、そのタイヤの性能を十分に引き出すため事前に慣らし走行をさせる必要があります。

 どのくらい慣らし走行をすれば良いかはタイヤの種類によって異なるものの、ブリヂストンのウェブサイトによると、夏タイヤは「走行速度が時速80km以下で走行距離100km以上」、冬タイヤは「走行速度が時速60km以下で走行距離200km以上」が推奨されています。

 冬タイヤの効果を最大限発揮できるよう、いきなり積雪・凍結路を走るのではなく、事前にある程度路面を走っておくことが重要といえるでしょう。

 次に、タイヤ交換の時期を早めておけば、お店が混雑しない・タイヤの在庫切れが少ないといったメリットも挙げられます。

 初雪が観測されてから慌ててお店にタイヤ交換を依頼する人も散見されますが、その場合は予約が取れなかったり希望する冬タイヤの在庫がなかったりという事態におちいる可能性があります。

 また想定していたより初雪が早く観測されるケースもあるため、時期に余裕を持ってタイヤ交換をしておくことが大切です。

 さらにユーザー自身でタイヤ交換をおこなう場合には、事前に冬タイヤの状態をチェックしておく必要があります。

 冬タイヤが摩耗していると雪道でのグリップ力が弱まることから、タイヤの溝にある「プラットホーム」という目印が露出していれば、新しい冬タイヤを購入すべきです。

 そして、タイヤ交換時には正しい手順・方法で作業をおこないましょう。ジャッキでクルマを持ち上げる際には、決められたジャッキアップポイントにジャッキを当てることが重要です。

 これはジャッキアップポイントがずれていると車体に傷が付いたり、ジャッキが外れて事故につながったりする危険があるためです。

 加えてタイヤが走行中に脱落しないよう、タイヤの取り付け時にはホイールナットを規定のトルク(締め付けトルク)で締めること、対角線上にあるナットを順々に締めていくことも意識しましょう。

※ ※ ※

 初雪が予想される1か月前に冬タイヤに交換しておくと、慌てず余裕を持って運転ができます。

 これから降雪が予想される地域では、気象庁のデータをもとにタイヤ交換の計画を立てると良いでしょう。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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