トヨタ「斬新“タマゴ型”ミニバン」が凄かった! “ほぼスポーツカー”な「MRレイアウト」×スーパーチャージャー搭載で「復活」求める声も? JMSに出現した「初代エスティマ」を振り返る
「ジャパンモビリティショー2025」の合同展示「Mobility Culture(モビリティカルチャー)」では、過去に大ヒットしたモデルが展示されていました。そのうちの1台である「エスティマ」を振り返ります。
「天才タマゴ」のエスティマも展示
東京都江東区の「東京ビッグサイト」を会場に、2025年10月に開幕した「ジャパンモビリティショー2025」。
こういったモーターショーは、通常は未来のクルマが展示されるというイメージが強いですが、モビリティショーはモビリティ全般を扱うということで、戦後から現代までの名車たちが当時のカルチャーとともに展示される「Mobility Culture(モビリティカルチャー)」という合同展示もなされていました。
その中でも多くの人が懐かしさに足を止めていたのが、トヨタ「エスティマ」初代でした。
![トヨタ「エスティマ」初代[ジャパンモビリティショー2025 モビリティカルチャー]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/11/20251118_toyota_estima_009.jpg?v=1763458781)
1990年に日本で販売がスタートした初代エスティマ。
もともとは北米市場をターゲットとしたミニバンとして開発されており、発売前年の1989年に開催された第28回「東京モーターショー」には、輸出名の「プレビア」という名前で、左ハンドルのまま展示されていました。
そんな初代エスティマの最大の特徴は、エンジンをミッドシップに75度寝かせて搭載することで、広くフラットな室内空間を実現する、アンダーフロア型ミッドシップ・リア駆動レイアウト(MR駆動)を採用していたこと。
通常はスポーツカーなどに採用されるMRはミニバンとしては異例でしたが、これにより広い室内空間に加え、低重心で安定した操縦性も兼ね備えていたのでした。
また、その独特なレイアウトと丸みを帯びたワンモーションフォルムのスタイリングから、「天才タマゴ」というキャッチコピーを使用。知名度はかなり高いものとなっていたのでした。
ただ、もともと北米地域をメインに開発されていたということもあって、全幅が1.8mと当時の日本車としては幅広だったため、トヨタは国内向けに5ナンバーサイズに縮小した「エスティマエミーナ/エスティマルシーダ」という派生車を1992年1月に設定。
モアパワーを求める声に対しては1994年8月にスーパーチャージャー搭載モデルを追加するなど、ユーザーの声を反映した改良を続けていました。
しかしメイン市場に据えていた北米市場では、そこまでの人気を得るには至りませんでした。
そして2代目からは、特徴だったミッドシップレイアウトを廃し、通常のミニバンと装用の前輪駆動レイアウトとなって日本を中心としたモデルに変化します。
この2代目ではミニバンとして初のハイブリッドモデルを設定するなど、引き続き先進性を持ったモデルとなっています。
エスティマ自体は2019年秋、3代目モデルが生産を終了し、それ以来、エスティマの名前は途絶えてしまっていますが、未だに根強いファンも多く、復活を願う声も少なくありません。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。









































