2.0リッター「水平対向エンジン」で“670馬力”!? カクカクデザイン×丸目4灯のスバル「“4WD”トラック」初公開! “空も飛べるはず”の「ブラタルー 9500 ターボ」米国に登場

スバルとフーニガンは、人気フィルム「ジムカーナ」の復活と、新作で使用される魔改造マシン「ブラタルー 9500 ターボ」を発表しました。1978年製の「ブラット」が、はたしてどのような進化を遂げたのでしょうか。

9500回転超え670PSのボクサーエンジン搭載!

 2025年11月5日から8日まで米国ラスベガスで開催された「SEMAショー2025」で、フーニガン(Hoonigan)とスバル・モータースポーツUSAが発表した「スバル ブラタルー(Brataroo) 9500 ターボ)」が”空飛ぶマシン”として注目を集めています。

 このクルマは、インターネットで絶大な人気を誇るジムカーナフィルムシリーズの復活と、その主役となる新マシンです。

670PSのボクサーエンジン搭載!?
670PSのボクサーエンジン搭載!?

 フーニガンとは、アメリカのラリードライバー、故ケン・ブロック氏に関連するブランド名やチーム名を指す言葉で、特に派手で高度なドリフト走行が有名です。

 オーストラリアを舞台にしたジムカーナの最新作では、トラビス・パストラーナ氏が3台目となるフルカスタムのジムカーナ・スバルを駆り、有名なランドマークを駆け巡るほか、伝説的なカメオ出演者も登場する予定です。

 今回パストラーナ氏が運転する「ブラタルー 9500 ターボ」は、1978年製のスバル「BRAT(ブラット)」をベースに、文字通りシリーズを新たな高みへと引き上げるために設計されました。

 ベースとなった1978年製のブラットは、スバルが「レオーネ」をベースに開発した輸出専用のピックアップトラックです。

 最大の特徴は、荷台に後ろ向きの固定式シート2脚を装備していた点でした。これは、米国の高関税(チキン・タックス)を回避し、「乗用車」として輸入するためのユニークな設計でした。

 “Brataroo(ブラタルー)”という名前は、スバルの「Bi-Drive Recreational All-Terrain Transporter(BRAT)」の反抗的なエネルギーと、現代のパフォーマンス技術の限界を融合させたものです。

 スバル・オブ・アメリカとテクニカルパートナーである「Vermont SportsCar(VSC)」は、このマシンをドリフトさせることと同じくらい”空中を飛ぶ”ことを楽しむために、これまでのジムカーナカーの能力をはるかに超えるマシンとして開発しました。

 この軽量ワイドボディマシンには、ラリークロス由来のターボチャージャー付き2.0リッターボクサーエンジンが搭載されています。VSCによって組み上げられたこの高圧4気筒エンジンは、最高出力670PS、最大トルク680lb-ft(約922N・m)を発揮し、レブリミットは9500rpm以上に達します。これは、ジムカーナ史上最も高回転なマシンとなります。

 駆動系は、モータースポーツ用の6速シーケンシャルとディファレンシャルを備えたAWDです。

 ボディワークは、VSCが設計したシャシーと最新のWRC安全基準に認定されたロールケージの上に、すべてカーボンファイバーで構築され、徹底的な軽量化が図られています。

 エクステリアは、著名なデザイナー/コンセプトアーティストのキザル・サリーム(Khyzyl Saleem)、通称ザ・キーザ(The Kyza)によって再構築。角張ったラインとプロポーションが再形成され、モータースポーツの世界とBRAT独自のデザインをシームレスに融合させた、過激なワイドボディとなっています。

 カラーリングは、アウトバック(オーストラリアの広大な荒野地帯)の夕焼けにインスパイアされ、パストラーナ氏のシグネチャーである「サムズアップ」をするカンガルーが描かれています。

 また、70年代のスバルブランドロゴや、KMC Wheels、ヨコハマ、Dixxonなどのロゴが配され、レトロな雰囲気を醸し出しています。加えて、これまでのジムカーナ車両で見られたトレードマークのチェック柄も保持しています。

 さらに、アクティブエアロダイナミクスを搭載。フロントフェンダーのルーバーは調整可能なアクティブエアロを採用し、飛行中または地上でマシンのフロントエンドバランスをリアルタイムに制御します。ルーバーは前後に傾けることができ、空中での姿勢を微調整することが可能です。

 リアには交換可能な2種類のウイングを備えています。一つは高速走行時の最大限の安定性を得るための大型ハイダウンフォースウイング、もう一つは一般的なタイヤスモークを上げるスタント用の小型ウイングです。

 どちらのウイングも迎角調整が可能で、さらに上方に作動することで、ジムカーナの空中スタント中のピッチや回転を制御できます。特に大型ウイングは、上方へ伸長する際に翼幅も増加し、表面積と空力安定性を大幅に向上させる機構を備えています。

 足元には、KMCホイール製の鍛造モノブロックホイールがワンオフで装着。これは1970年代後半のラリー黄金時代へのオマージュでありながら、BRATの4本スポークホイールデザインを現代的に再解釈したものです。この18インチホイールには、スタントのニーズや路面状況に応じて、ヨコハマ「ADVAN A052」または「APEX」タイヤが装着されます。

 コックピットは、1978年当時のインテリアに敬意を表したという、カーボンファイバー製のダッシュボードや、ブラットの実用的な魅力を反映した亜麻複合材のウッドグレインアクセントが特徴です。

 また、レストアされた純正OEMラジオ、アクティブエアロの調整に使われるHVACコントロール、当時物のユニデン製CB無線機などが、過去と現在を融合させています。
 これらすべてのディテールは、スバルの伝統に敬意を払いながら、現代のジムカーナの要求に応えるように作られています。

 ブラタルー 9500 ターボは、「ジムカーナ・シーズン」の幕開けを告げるとともに、ドライビングへの情熱を世界的な文化現象に変えたケン・ブロック氏の精神を受け継いでいます。

 次回のジムカーナフィルム「Aussie Shred」は、12月初旬にフーニガンのYouTubeチャンネルでプレミア公開される予定です。また、それに向けて、新規ファンと既存ファンの両方が楽しめる多くのコンテンツが公開されていくとのことです。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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