約375万円! ホンダ「“新”ヴェゼルRS」登場! 復活の「スポーティグレード」は“立体駐車場サイズ”×「走って楽しい」車に! 「カローラクロス」ライバルの新モデル 乗った印象は?
ホンダの主力コンパクトSUV「ヴェゼル」に、待望の「RS」グレードが追加されました。自動車ジャーナリストの工藤 貴宏氏がレポートします。
待望の「RS」ほどよく締まって軽快に
2025年10月24日、ホンダの主力コンパクトSUV「ヴェゼル」に、「e:HEV RS」グレード(以下、RS)が追加されました。
現行型に待ち望まれていたRSを、自動車ジャーナリストの工藤 貴宏氏が試乗し、レポートします。

ヴェゼルに待望のRSが追加されました。さっそく試乗した筆者(工藤 貴宏)がまず驚いたのは、その乗り心地です。
RSグレードの味付けはスポーティテイストなので、他のグレードより乗り心地が悪化していると予想しながら走りだすと、おやおや。まったく激しくないのです。
美点は、路面の凹凸などを超えて衝撃が入って来た時のその収束の良さ。
入力の度合いこそ他のグレードよりやや大きい(といってもいわゆる“カドが丸い状態”で嫌な印象はない)ものの、「ドン!」と入力があっても1発で収束するから車体の揺れが続きません。
この「入力の度合い」と「収束の良さ」のバランスで、乗り心地が良く感じられるのです。バランスって大事ですね。特殊なオイル経路を組み込んで、初期の動きを良くしたダンパーの採用も効いているのかもしれません。
いっぽうで、当日同じ条件で比較した通常モデル(「e:HEV Z」グレード)は、同じ凹凸の上を走った際の入力は、RSよりも確実にマイルドです。
しかし、RSと比べるとそのあと車体の揺れが収束するまで、少し時間が長い印象。といってもあくまで「比べたら」のレベルで、普通は気にならない範囲ですが。
入力の少なさでいえば通常グレードだけど、締まった足回りが好きならばRSのほうが心地よく感じる。そんな感覚です。
それはどちらが絶対的にいいというよりは、好みによる「好き嫌い」となってきますが、筆者は車体のフラット感がより保たれるRSのほうが好感触でした。
締まっているけれど、やりすぎてはいない。RSのサスペンションの味付けはそんな印象なのです。

では、そもそもRSってどんなクルマなのか。
ルーツは1974年に初代「シビック」に追加された、少しだけエンジンの出力を上げ、サスペンションを少し固めたスポーティグレードまで遡ります。
ちなみにRSは「レーシング・スポーツ」や「レーシング・スピリット」の略ではなく、「ロード・セーリング」なのだとか。
セーリングとは、そもそも帆を張った船が風を受けて滑らかに航行する様子で、「ロード」を加えることで「道を悠々と走る」イメージといったところでしょう。
ホンダの現行モデルでは「フィット」や「N-ONE」で展開しているほか、もうすぐ発売される最新の「CR-V」などにも用意される、ホンダの定番スポーティグレードなのです。
「タイプR」のように乗り心地まで犠牲にしたバリバリの“体育会系”ではなく、快適性も重視した心地よくスポーティな仕様といえます。
当然ながら、ヴェゼルRSも標準タイプに比べるとハンドリングはスポーティな味付け。具体的にはバネとダンパー、それからパワーステアリングの制御が専用となっています。
標準モデルと比べて感じられた違いは、ハンドルを切りはじめたときのスッと反応する感覚。そこでクルマの向きが変わるタイミングが早いことで、スピードを出さなくても普通に交差点を曲がるだけで爽快さを感じられます。
ドライバーのハンドル操作に対して心地よく反応することで軽快感が増し、クルマとの一体感が強まることでライトウェイトスポーツカーのような感覚を楽しめる。
決してシャープに反応してグイグイ曲がるような味付けではありませんが、運転する歓びはより強調されているといっていいでしょう。




















































































