2025年10月29日に東京ビッグサイト（東京国際展示場）で開催された「ジャパンモビリティショー（JMS）2025」プレスデー。

　日産はブースにて、かつての人気車種「マーチ」の後継にあたる新型モデルを日本初公開しました。

　そのモデルとは、日産が欧州市場で展開を予定する新型「マイクラ」です。

　マイクラはハッチバックタイプのコンパクトカーで、過去には日本で「マーチ」として販売されていましたが、マーチが2022年に販売を終了したことで、国内ではその歴史に幕を閉じました。

　しかし、欧州のマイクラは独自の進化を続け、2025年5月に全面刷新した新型を発表。

　今回のJMS2025にて初の日本凱旋を果たし、ようやく国内公開されたのです。

　新型マイクラは、先代に引き続きBセグメントのコンパクトカーですが、最大の変更点はパワートレインにあります。

　従来の「エンジン車」ではなく、完全な「電気自動車（EV）」として生まれ変わりました。

　一方でエクステリアデザインは、往年のマーチ（特に3代目モデル）を思い起こさせる「丸目テイスト」のヘッドライトを採用。

　盛り上がったフェンダーと相まって、どことなく「カエル」のような愛嬌のある表情を作り出しています。

　また、全グレードで存在感のある18インチホイールを装備し、グレードごとに異なるホイールカバーを用意することで、ユーザーの個性を引き出すユニークな仕掛けも採用。

　ボディサイズは全長3974mm、全幅1830mm、全高1499mm、ホイールベース2541mmと、全幅は若干広めですが、それ以外は日本の道路でも取り回しやすそうなコンパクトなサイズです。

　インテリアは、モダンな雰囲気の中に近未来感が織り交ぜられたデザインが特徴的。

　前席の収納スペースに「富士山」をモチーフとしたデザインが採用されており、欧州向けのモデルでありながら、ボディの随所に「日本らしさ」を表現しているのは、日産らしい遊び心と言えるでしょう。

　フロントパネルには、10.1インチの大型ディスプレイと、同サイズのタッチスクリーンディスプレーをそれぞれ搭載。先進的なコックピットを実現しました。

　EVを得意とする日産ならではのパワートレインとしては、40kWhおよび52kWhの2種類のバッテリーを設定し搭載。

　40kWhモデルは最大出力90kW、最大トルク225Nmで、航続距離は308km。主に都市部での使用に最適です。

　一方、52kWhモデルは最大出力110kW、最大トルク245Nmで、航続距離は408kmとなり、長距離の走行が想定されるユーザーに適しています。

　この新型マイクラの欧州での販売価格は、2万8000ユーロ（日本円で約495万円）からを予定しています。

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　現在のところ、新型マイクラの日本での展開は予定されていませんが、マーチに親しんできた往年の日産ファンからは、懐かしい“丸目テイスト”のヘッドライトが可愛らしいと好評となっており、日本導入を求める声は少なくありません。

　日産は今回、新型マイクラを日本初公開した理由について、「日本向けの最新モデルの展示に加え、戦略的パートナーと共に開発した各地域のニーズに応えるモデルも紹介します」と説明しています。

　はたして、この発表が日本市場への導入を視野に入れたものであるのか、日産の今後の動向に注目が集まっています。