まるで“レゴ”!? 車体が「変身」する新型バン、キア「PV5」ついに日本上陸へ! ユーザーと“共に創る”異例の開発手法と「勝算」の全貌

なぜ困難な日本市場へ? キアが語る明確な「勝算」とは?

 このような特徴を持つ「PV5」ですが、欧州・韓国を皮切りに日本やその他グローバルで順次展開していくとしています。

 そのなかで、唯一日本はこれまでキアが参入していない市場です。そこで気になるのは「なぜ、日本の国産メーカーが強く、EVシフトが他国よりも鈍化している日本市場にあえて参入するのか?」という疑問。

 これに対し、キアのPBV部門責任者のキム・サンデ氏は日本市場の難しさを認めつつも、明確な「勝算」があることを語りました。

 サンデ氏は、「ご指摘いただいた日本の『EV化の遅れ』こそが、我々にとっては大きなチャンスだと捉えています」と述べます。

 現在の日本の自動車メーカーの多くは、エンジン車やハイブリッド車に注力しており、特にLCV(小型商用車)の分野において、EVでは競合が存在しないのが現状です。

 キアは、この「空白地帯」を大きなビジネスチャンスと見ており、「ファーストムーバー」として市場を開拓できると考えているのです。

キアのPBV部門責任者のキム・サンデ氏

 さらに、この戦略を後押しするのが日本政府の政策です。

 サンデ氏は「日本政府は、LCVの電動化に対して手厚いインセンティブ(補助金など)を用意しており、2030年に向けたESG目標も設定しています。我々はこの政府の追い風を戦略的に活用し、PBVを日本市場に投入していく計画です」と語り、市場環境が追い風になっていることを強調しました。

 困難な市場だからこそ存在する「機会」を的確に捉え、周到な戦略をもって参入する。それがキアの出した答えでした。

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