まるで“レゴ”!? 車体が「変身」する新型バン、キア「PV5」ついに日本上陸へ! ユーザーと“共に創る”異例の開発手法と「勝算」の全貌

韓国キアは新型商用EV「PV5」を2026年春に日本導入。ユーザーの目的に合わせ車体を変えられる革新的モデルで、双日と組み日本の働くクルマ市場に挑みます。イベントで明かされたその全貌と勝算に迫っていきます。

なぜ困難な日本市場へ? キアが語る明確な「勝算」とは 「BtoB」と「キャンプ」を軸に初年度1000台を目指す

 2025年9月30日、韓国・ソウルで世界中のメディアを集めたイベント「Kia Discovery Drive」が開催されました。

 この場で、韓国の自動車メーカー「起亜(Kia)」(以下、キア)が2026年春に日本市場へ導入する全く新しいコンセプトの商用EV「PV5」の詳細が明かされました。

「単なるクルマではなく、ユーザーの目的を達成するためのプラットフォーム」と位置付けられるこの新型車は、日本の「働くクルマ」の常識を根底から覆す可能性を秘めています。

 なぜキアは、日本メーカーが圧倒的なシェアを誇る日本市場にあえて挑戦するのか。そして、日本での販売を担う双日が描く事業戦略とはどのようなものなのでしょうか。

韓国キアが新型商用EV「PV5」を2026年春に日本導入、なぜ?(手前の赤い個体は乗用、奥の2台は商用)
韓国キアが新型商用EV「PV5」を2026年春に日本導入、なぜ?(手前の赤い個体は乗用、奥の2台は商用)

 イベントの冒頭、MSVプロジェクトグループのスコット・ジュ常務が登壇し、「PV5」の革新的なコンセプトが語られました。

「PV5」は、キアが提唱する「PBV(Platform Beyond Vehicle:クルマの概念を超えるプラットフォーム)」というビジョンを体現した最初のモデルです。

 これは、単なる移動手段としてのクルマではなく、ユーザーの多様なライフスタイルやビジネスに合わせて変化し、価値を提供する「プラットフォーム」であるという考え方です。

 その最大の特徴は、「共創(Co-Creation)」と呼ばれる異例の開発プロセスにあります。

MSVプロジェクトグループのスコット・ジュ常務が登壇

 ジュ常務は、「このクルマはお客様の『ために』デザインされたのではなく、お客様と共にデザインされたのです」と語ります。

 従来の自動車開発とは一線を画し、「PV5」は企画の初期段階から世界中のビジネスユーザーの声に徹底的に耳を傾けてきたといいます。

 実際に「PBVパートナーズ・デー」と称するイベントを開催し、120社以上のクライアントからデザインや機能に関する具体的な提案を募りました。

 現場で働くプロたちのリアルな悩みや要望を設計に反映させることで、「PV5」は他に類を見ない実用性と多用途性を手に入れたのです。

様々なバリエーションをもつ「PV5」
様々なバリエーションをもつ「PV5」

●まるで“レゴブロック”! 自由自在に姿を変える革新的な「モジュール構造」

「PV5」の革新性を最も象徴しているのが、標準化されたモジュールを組み合わせることで、まるでレゴブロックのようにボディ形状を自由自在に変更できる「モジュール式ボディ組立システム」です。

 基本となるシャシ(車台)の上に、配送業務に特化した「カーゴバン」や、多人数を乗せるための「乗用モデル」、さらには車体を延長した「ハイルーフ」や「ロングボディ」など、様々なタイプのボディを架装できます。

 これにより、1つのプラットフォームから多種多様なニーズに応えることが可能となり、将来的には最大で16種類ものバリエーション展開が計画されています。

 このシステムは、生産効率を高めるだけでなく、ユーザーにとっても大きなメリットをもたらします。

 例えば、事故でボディの一部が損傷した場合でも、その部分のモジュールだけを交換すれば済むため、修理コストや車両が使えない「ダウンタイム」を大幅に削減できる可能性があります。

空気抵抗の値を示すcd値はバンタイプながら0.28を誇る(画像はヒョンデ・キアのR&Dセンターにて)
空気抵抗の値を示すcd値はバンタイプながら0.28を誇る(画像はヒョンデ・キアのR&Dセンターにて)

●デザインと実用性の両立、そして「走るオフィス」へ

 エクステリアは、EVならではの先進性を感じさせながらも、日々の業務で頼りになる実用性を兼ね備えたデザインが特徴です。空力性能にも徹底的にこだわり、商用バンとしては異例のCd値0.28を達成し、航続距離の伸長にも貢献しています。

 インテリアは、使う人のことを第一に考え抜かれています。カーゴタイプの荷室床面地上高は、クラス最高レベルのわずか419mmに設定。

 一日に何度も重い荷物を積み下ろしするドライバーの身体的負担を、劇的に軽減します。荷室容量も最大5.4立方メートルを確保しており、様々な大きさ・形の荷物に対応可能です。

 さらに、「PV5」は単なる「モノを運ぶ箱」ではありません。心臓部にはAndroid Automotive OSをベースとした最新のインフォテインメントシステムが搭載されており、まるでスマートフォンのように様々なビジネスアプリをインストールして活用できます。

 これにより、「PV5」は移動時間を効率的な業務時間へと変える「走るオフィス」へと進化するのです。

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