レクサスの「“最上級”SUV LX」どんなクルマ? 史上初「ハイブリッド」設定で「リッター10km」以上も走れる!? 正真正銘の旗艦モデル「LX700h」“フツーに使って”わかった凄さとは【試乗記】
レクサスの最上級SUV「LX」に、史上初のハイブリッドを設定した「LX700h」が設定されています。実際の使い勝手や燃費はどうでしょうか。くるまのニュース編集部のNが試乗してみました。
LX史上初の「ハイブリッドモデル」ってどんなもの?
レクサスのフラッグシップSUV「LX」は、国内で販売されるSUVにおいては紛れもない「トップモデル」として頂点に位置しています。
そんなLXに、史上初のハイブリッドが設定されています。一体どのようなクルマで、果たしてハイブリッドの恩恵は感じられるのでしょうか。今回くるまのニュース編集部員のNは、実際に借りて“普段使い”してみました。

LXは本格四輪駆動車の代表であるトヨタ「ランドクルーザー」の“レクサス版”ともいうべきモデルで、1996年に登場しました。
ランドクルーザーで世界的に評価されている、ずば抜けて高い堅牢性や信頼性などはそのままに、レクサスならではのラグジュアリーな仕立てを与えました。
以後、超高級本格四輪駆動車の定番として支持を獲得。レクサスのステータス性も相まって、中東を中心にヒットします。
現行型は2021年10月に発表された4代目です。コンセプトは「世界中のどんな道でも楽に、上質に」。
同年にフルモデルチェンジされたランドクルーザーの旗艦車種「ランドクルーザー300」と同様に、TNGAプラットフォームの採用に加え、パワートレインを一新。さらには本格オフローダーとして悪路走破性の向上を図り、ランドクルーザーと同じく「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として正統な進化を遂げています。
LXではそうした進化に加え、乗用車に匹敵するようなオンロード性能の追求、またレクサスのフラッグシップSUVとして、力強さと優雅さ、繊細さを合わせたスタイリングを採用。インテリアもくつろぎと安心感を追求しました。
いかなる路面やシーンにおいても、レクサスらしく快適で静かな走りを実現し、特別感のある移動をもたらします。
ラインナップには3列シートの7人乗りに加え、VIPを乗せるショーファーカーニーズを見据えた4人乗りの「エグゼクティブ」も設定。後席の広い空間を専用シートでくつろぐことができ、「国産最高峰SUV」の地位を確立しています。
そんなLXですが、2024年10月、新開発のハイブリッドシステムを採用した「LX700h」が発表されました。日本では2025年3月にLXの改良型発売とともにラインナップに追加されています。

実は、現行型LXの発表当初、レクサスの全ラインナップにおいて、LXは電動モデルが唯一存在しない車種となっていました。レクサスブランド全体でカーボンニュートラルを推し進めるなか、LXだけこうしたカーボンニュートラルの流れに取り残されているという状態だったのです。
しかし、LXの電動化は非常にハードルが高かったのです。
なぜならば、「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」電動パワートレインが存在していなかったから。
ランドクルーザー同様に、これまでLXはいかなる本格四輪駆動車のなかでも屈指の高い信頼性や耐久性が評価されてきました。しかし、電動化による複雑なシステムは信頼性と相反するものであり、通常の乗用車のシステムを用いるだけでは、不安要素が大きかったのです。
特にLXは、砂漠地帯や荒野など過酷な地でも快適かつ安心して移動したいという世界中のエグゼクティブ層から支持されていることもあり、ほかのクルマにはない絶対的な信頼を獲得しています。大きな故障は致命的なブランドイメージの悪化になりかねません。
そこでレクサスは、電動化しつつも信頼性と走破性を一切損なうことのないハイブリッドシステムを開発しました。
LX700hのパワートレインは、ガソリンモデル「LX600」と同様の3.5リッターV型6気筒ツインターボエンジン「V35A-FTS」型×10速ATを基本に、新開発のクラッチ付き「モータージェネレーター(MG)」とニッケル水素バッテリーを組み合わせた、パラレルハイブリッドを採用。
エンジン+モーターにより効率的でパワフルな走行に加えて、レスポンスがよく滑らかでトルクフルなモーターならではの特性により、悪路での繊細なアクセルワークも可能です。
さらに、万が一ハイブリッドシステムが故障したときのことも考慮し、ハイブリッド車には普通は装備されないオルタネーター(発電機)とスターターモーター(セルモーター)も装着。ハイブリッドが機能しなくても、エンジン単体で始動・走行できるようになっています。
また、バッテリーのトレイをパッキングしたことにより、LX600同等の渡河性能700mmを確保。ハイブリッドシステム搭載による重量増や構造変化に対しては、ボディ側の強化やフレームの一部変更、スペアタイヤの位置変更なども図ることで、走破性や地上高、3アングルに影響のないように設計されました。
このように、「ハイブリッドだから」を言い訳にしない冗長性を確保し、通常モデルと何ら遜色のないシステムが採用されています。
ハイブリッドシステムの採用で、燃費性能は通常のLX600がWLTCモードで8.0km/Lに対し、9.3km/Lをマーク。
高速道路モードにおいては10.9km/Lと、総重量が3トン近くもあり、なおかつ重量が重いラダーフレームの4WD車としては、非常に優秀な数値といえます。







































































